長崎県内自治体で仕事始め 大石知事「思いを一つに全力で」 13市長も目標や展望語る

職員を前に仕事始め式であいさつする大石知事=県議会議場

 長崎県内の官公庁で4日、仕事始め式があり、各首長らが新年の抱負や課題を掲げ、職員に奮起を促した。

 県庁の仕事始め式は県議会議場であり、大石賢吾知事が職員約300人を前にあいさつ。「新しい長崎県づくりに向け、思いを一つに全力で取り組んでいかなければならない」と年頭の所信を述べた。
 県政課題について、西九州新幹線の整備促進、石木ダム建設などを挙げ、大石知事は「直面する課題を正面から受け止め、克服を目指していきたい」と強調。「少しでも前に進めていけるように尽力を」と職員たちにも協力を呼びかけた。

 長崎市は本県出身俳優が出演する「長崎ランタンフェスティバル」や「長崎スタジアムシティ」開業など重要なイベントが控える。鈴木史朗市長は「市民の力も借りて、市の元気をつくっていくため、ワンチームで頑張ろう」と呼びかけた。
 宮島大典佐世保市長は、県と同市のハウステンボスへの誘致を目指していた「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)」の整備計画を国が不認定にしたことの経緯を検証するとした上で「市政の歩みを止めるわけにはいかない。1日も早く新たなビジョンを示す責任がある」と強調。杉澤泰彦西海市長は、洋上風力発電施設の建設計画が進む中、「二酸化炭素(CO2)排出ゼロの電力供給地のみならず、電力の地産地消を目指したい」と意気込んだ。
 職員に意識改革を促す声も。大久保潔重諫早市長は「市民の幸福のために、職員全員が営業マンとなって諫早市をPRしてほしい」と語りかけた。野口市太郎五島市長は部課長ら約40人を前に、市消防署で昨年発覚したパワーハラスメント問題に触れ「市職員の間でのハラスメントを絶対許さないという意識の統一を」と気を引き締めた。
 今年の干支(えと)「辰」にちなんだあいさつもあった。園田裕史大村市長は「これまで以上に職員が働きやすい環境の整備に力を入れたい」と決意を述べ、「市民に丁寧に向き合い、上昇気『竜』で仕事をしてほしい」。友田吉泰松浦市長は、職務を龍踊に例え「頭やしっぽが目立ちがちだが、全体を支える胴の部分が柔軟に動き回らなければ勇壮な姿を披露できない」とし、「すべての部署が与えられた役割をしっかりと果たしてほしい」と激励した。黒田成彦平戸市長は「竜は隆盛の象徴。希望と期待に満ちた新年のスタートを、と思いながらも、一呼吸を置いて気を引き締めていきたい」と語った。
 多くの自治体が頭を悩ませている人口減少問題。離島地域から強い危機感がにじんだ。対馬市の比田勝尚喜市長は「人口減少対策」を喫緊の課題に挙げ、「第2次総合計画に定めた目標人口よりも速いスピードで減少している。若者の定着やU・Iターンなどを押し進めるが、部署の枠を超えて支援、協力をお願いしたい」と力を込めた。壱岐市の白川博一市長は「すべての産業振興に全力」「壱岐の未来へ必死」をテーマに、山積する課題に「一意専心取り組んでいる」とした。
 島原半島3市でも職員の連携を求めた。古川隆三郎島原市長は「島原城築城400年は島原市を挙げての行事」とし、職員一丸での対応を促した。金澤秀三郎雲仙市長は「担い手不足などの課題に対し、職員は市民の声に耳を傾け、市の発展に向けて努力を積み重ねてほしい」。松本政博南島原市長は「それぞれの目標設定をしっかりと持ち、南島原を今以上に良くするんだという情熱を持って仕事に取り組んでほしい」と望んだ。

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