小さな缶に大きな夢 沖縄を発信 ミント缶ジャパン代表 大坂美恵子さん【2024沖縄の輝く女性たち・PR】

「沖縄のお土産の新定番にしたい」と話す大坂美恵子代表

 美しい海や首里城、シーサー…。沖縄の要素をぎゅっと詰め込んだデザインが目を引く「OKINAWAミント缶」。手掛けるのはミント缶ジャパン(那覇市)で、中身のミントタブレットは県内工場で原料から一貫生産する、新しい「県産品」だ。わしたショップや県内コンビニの一部店舗などで販売中。2022年4月の発売以降、30万缶以上を出荷し、観光客が箱買いする人気ぶりだ。代表の大坂美恵子さんは「ミント缶を通じて沖縄の魅力を広めたい」と意気込む。

 大坂さんは2015年に東京から移住。沖縄のために何か役に立てないかと考えていた21年9月ごろ、友人から、ハワイをデザインしたミント缶が現地のお土産として売れていると聞き、ひらめいた。商社などで海外マーケティングを担当したスキルを生かし、貿易会社を設立。缶の輸入態勢を整えることから始め、商品化にこぎつけた。同時期に沖縄県の優良県産品に推奨され、NEXT部門で審査員特別賞を受賞。23年3月、ブランドイメージ強化のため、ミント缶ジャパンを設立した。

 現在、離島を含めた風景メーンの定番デザインと、美ら海水族館など外部とのコラボレーション商品の15種類を展開。移住者ならではの視点を大事に沖縄の魅力を再発掘する。ミントの味にもこだわり、女性も食べやすい風味を開発した。

 23年はインスタグラムでアンバサダーを募り、ミント缶3缶を贈る代わりに投稿をしてもらう企画を行った。全都道府県から多数の応募があり、雪景色や中華街の入り口、さまざまな場所を旅するミント缶の写真が認知度向上に貢献した。

 将来的には「エイサーや組踊など沖縄の文化も含めてデザイン展開し、広く紹介していきたい」と目を輝かせる。企業ブランディングへの活用にも手応えを感じている。「今年は知名度を高め、飛躍の年にしたい」。

 おおさか・みえこ
 1975年、中国の南京生まれ。幼少期を中国大陸で過ごし、進学とともに家族で東京へ移住。大学卒業後、商社や自動車メーカーで海外マーケティングを担当。2015年に沖縄へ移住、22年に「ブルーリンク」、23年に「ミント缶ジャパン」を設立。

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 新しい年を迎えました。沖縄のビジネスシーンで活躍する女性を紹介する本企画「沖縄の輝く女性たち」は、開始から20年以上になります。男女雇用機会均等法が成立後38年が過ぎても女性管理職の割合は12.7%にとどまり、政府が2003年以降、指導的地位の女性を少なくとも30%にという目標を掲げる中、国内の女性社長の比率は1割に満たない8.2%です。そのような社会状況の中、女性リーダーの存在に注目し掘り起こす意義はいまだ大きいと考えます。生き生きと自分の道を歩む女性たちの姿は、同じ女性のみならず、先の見えない時代の中で懸命に前に進もうとするすべての人に力を与えてくれます。

 希望あふれる新年に、沖縄のビジネスシーンで活躍する女性たちを紹介します。2022年の国内の女性社長の比率(帝国データバンク調べ)を都道府県別にみると、沖縄は11.6%でトップでした。全国1位とはいえ、1割をようやく超えたところであり、女性活躍の推進はまだ道半ば。その中でも女性たちは、自分の信じた道をまい進し、飛躍に向け日々を積み重ねています。紙面を通じて女性リーダーのパワーを発信し、活躍を期待したいと思います。(企画・制作 沖縄タイムス社営業局)

2022年度沖縄県優良県産品に認定

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