「独りにしない」風土づくりへ奔走 沖縄銀行経塚支店支店長 銘苅紀乃さん【2024沖縄の輝く女性たち・PR】

気配りと目配りで支店メンバーをまとめる銘苅紀乃経塚支店長

 女性管理職を育てる取り組みが活発な沖縄銀行で、期待の一人として2022年4月に経塚支店長に就いたのが銘苅紀乃さんだ。沖銀の支店長とローンFPステーションの店長、計59人のうち女性は12人で、47歳の銘苅さんは女性の最年少。

 「コミュニケーションを大事にする、相談しやすい人柄」が周囲の評。各支店長が就任時に打ち出す経営方針には「独りぼっち・独りよがりを作らない」を掲げた。20~30代の7人を含む12人の支店メンバーを、持ち前の気配りと目配りでけん引する。

 銀行員を志したのは、那覇市内で小さな鉄工所を営んでいた両親から、銀行に資金繰りを支えられたエピソードを聞いて育ったことが大きい。入行後は7カ所の営業店舗で多彩な業務を経験。その間、上司や同僚のサポートを受けながら2女1男の育児にも励んできた。「家庭との両立や異動で環境が変わる時など、悩むタイミングは共通している」との実感から、幼い子がいるなど気になる部下には積極的に声を掛ける。風通しの良い、互いに助け合う風土を意識し、顧客サービスの向上を目指す。

 おきなわフィナンシャルグループ(OFG)が23年11月に開講した「女性活躍推進カレッジ~フェミエール~」にも参加。企業や業種を超えた10社・グループの女性管理職向けの研修で、マクロ経済や戦略の立案・検証、コンプライアンスやガバナンスといった経営層に必要な視点を1年かけて学ぶ。業種は違えど、沖縄社会を一緒にもり立てる女性たちの存在が刺激になり、心強い。

 新年も「後輩たちが働きやすい、働き続けたいと思える職場をつくっていきたい」と奔走する。さらに、子育てが落ち着いた今、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格取得にも挑む決意だ。「自分の武器を持ちたい」と意気込み、「いろいろな方に勧められ、遂にゴルフも練習中です」と笑顔を見せた。

 めかり・きの 1976年生まれ、浦添市出身。2000年沖縄銀行入行。牧港支店や商業団地支店など7店舗で融資業務や法人向け営業などに携わる。2016年、コザ支店で支店長代理を務め、22年4月から経塚支店で支店長を務める。3人の母。

■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■

 新しい年を迎えました。沖縄のビジネスシーンで活躍する女性を紹介する本企画「沖縄の輝く女性たち」は、開始から20年以上になります。男女雇用機会均等法が成立後38年が過ぎても女性管理職の割合は12.7%にとどまり、政府が2003年以降、指導的地位の女性を少なくとも30%にという目標を掲げる中、国内の女性社長の比率は1割に満たない8.2%です。そのような社会状況の中、女性リーダーの存在に注目し掘り起こす意義はいまだ大きいと考えます。生き生きと自分の道を歩む女性たちの姿は、同じ女性のみならず、先の見えない時代の中で懸命に前に進もうとするすべての人に力を与えてくれます。

 希望あふれる新年に、沖縄のビジネスシーンで活躍する女性たちを紹介します。2022年の国内の女性社長の比率(帝国データバンク調べ)を都道府県別にみると、沖縄は11.6%でトップでした。全国1位とはいえ、1割をようやく超えたところであり、女性活躍の推進はまだ道半ば。その中でも女性たちは、自分の信じた道をまい進し、飛躍に向け日々を積み重ねています。紙面を通じて女性リーダーのパワーを発信し、活躍を期待したいと思います。(企画・制作 沖縄タイムス社営業局)

助け合う風土づくりは、生産性や顧客サービス向上につながると考えている

© 株式会社沖縄タイムス社