【禁断の組み合わせ】世界初の偉業達成!? 岸から超最先端魚探を使ってバス釣りをしてみたら衝撃的な結果が…!【シンドラハン】

シン・ドラハンとは何ぞや? それは劇的な体験をハントする、いわば感動の狩人。ちなみにドラハンは「ドラマチックハンター」の略語だ。今回は岸釣り×ライブスコープを検証するために、休眠状態だったドラマチックハンターに召集がかかったぞ!

<衝撃!オカッパリライブスコープの動画を見る>

●文:ルアマガプラス編集部

― Profile

オリキンこと折金一樹(おりかね・かずき)
亀山湖など房総のリザーバーを中心に活動するプロガイド。H-1グランプリ優勝など、その実力は折り紙付きだ。過去のドラマチックハンターにも何度か出演している。

横沢鉄平(よこざわ・てっぺい)
ドラマチックハンターの草分け的存在? 本業は釣りライターだが、最近1年間務めたウェブマガジンの編集長を退任。理由は不明だ。

第1撃 オカッパリライブスコープに挑戦!

― 適任中の適任 器用系アングラー!

テッペイ「あ、オリキンさん、久しぶり。実は折り入ってお願いがあるんですけど…」
オリキン「え、なんだか嫌な予感がしますね」
テッペイ「いや、そんなことないよ。実は俺がものすごい企画を考えちゃったら、それが通っちゃってね。その名も『オカッパリライブスコープ』」
オリキン「オカッパリ? そんなの無理でしょう。ブラックボックスとか、バッテリーもあるし」
テッペイ「そんなものは俺が背負うよ。ただ、オリキンさんにはライブスコープを持ち運べるシステムを作ってもらいたい」
オリキン「…」
テッペイ「あれ? 電波弱い?」
オリキン「フフフフ…それ、面白そうですね。やりましょう」

正直この企画、オリキンに断られたら、ほぼ実現不可能だった。

テッペイ「俺、ちょうどいい大きさの背負子を見つけたからさ、それを経費で買って送るよ」
オリキン「それ、頼むかもしれません。で、誰のライブスコープ使います?」
テッペイ「いやあ、申し訳ないね」

この時オリキンは、自分のボートから魚探一式を外さなきゃいけないことに気がついた。

これが、オカッパリライブスコープだ!

― 万が一ライブスコープを知らない人のために

まずライブスコープの説明をしておこう。ライブスコープとは水中前方の様子がリアルタイムで映し出される魚探。魚の動きはもちろん、ルアーを追ってきて襲い掛かるところまで見えるという、恐ろしいアイテムだ。ただ、これを使うためには、当然バッテリーが必要。それだけではなく、ブラックボックスと呼ばれる情報処理装置も不可欠だ。それに加えて魚探本体とセンサーの役割を担う振動子がないと動かない。かなりの大荷物なので、正直レンタルボートにセットするのにもかなりの労力を要する。それをオカッパリで使おうとするなんて、かなり無理がある話なのだ。でも、オカッパリで使えたら、もう陸王制覇も夢ではないはず。

取材の数日前にオリキンから連絡が入った。

オリキン「やっぱり例の背負子買って送ってくれませんか? それから、テッペイさんの体の横幅を測って教えてください」

それってなにか意味あるのかな? と思ったが、一応図ると47cmだった。

テッペイがたまたまブックオフで見つけたこのフレームザックが、今回の企画にシンデレラフィット。3,300円で購入。実はDAIWAでは現行品もあり、価格は3万9,000円だった。

変更前
変更後

こんなこと頼めるのオリキンしかいないぜ!

― 朝からトラブルの連続 この企画大丈夫か!?

早朝6時、常陸利根川。待ち合わせ場所にいたオリキンは、テッペイ専用にチューンした背負子を地面に置いた。ちょっと見慣れないモノなので、土手にいた茨城県民の方々が、見て見ぬふりをしている。

テッペイ「うおお! これは、素晴らしいけど…入るかな?」
オリキン「大丈夫です。横幅は47cmより多少余裕持たせてますから」

しかし、現実はそんなに甘くなかった。

テッペイ「く~、きついぞ」
オリキン「そんなに? 大丈夫なはずなんですけどね」
テッペイ「俺の場合、お腹の横幅だけじゃなく前後の幅も相当あるんだぞ」
オリキン「でも入ったじゃないですか。さてと魚探を付けますよ…あれ?」
テッペイ「どうしたの?」
オリキン「魚探が付かない。お腹にピッタリくっつくから画面が見えません」
テッペイ「逆にしたらいいかもよ」
オリキン「裏側から配線を出すので…それも無理」

テッペイの胴回りが、ぎりぎり収まったフレーム。スリムなスタイルのオリキンがフレームに入ると、フラフープ並みに余裕があった。

いきなり企画倒れ? いや、そんなことであきらめるオリキンではなかった。車の中から様々なパーツを出すと、20分ほどで魚探の取付け台を、お腹のちょっと先にまで伸ばすことに成功!

オリキン「これでどうですか?」
テッペイ「大丈夫だ! よし、いよいよライブスコープ、使ってみよう」

その時、ウイイイイイイイン!
草刈り機の音がけたたましく響いた。さっきの人たち、これが目的で土手の上に集まっていたのか!どうやら今日は、町内会の草刈りの日だったのだ。

「ちょっと声が掻き消されちゃうので場所変えましょうか」

これは動画カメラマンの田中さん。

6時に集合した割に、もう9時を回っていた。

― 本当にあった見積違いの話

テッペイのお腹の出っ張り方は半端ない。スリムな体型のオリキンには、想像もつかなかったのだろう。無理もない話だ。

いよいよ試運転開始。お、お魚見える?

― スイッチを入れるとそこには魚の楽園が!

オカッパリライブスコープセッティング

魚探本体GPSMAP 1222XSVタッチ(ガーミン)
魚探本体はガーミンのGPS MAPというハイグレードシリーズを使用。12inの画面なので、大きくて、重量もバカにならない。

エクステンション・バー
振動子を水につけるためのバーで、オリキンがアルミパイプを切ってつなげて製作。途中、曲げられるようになっているのがミソだ。

ライブスコープLVS32 (ガーミン)
この先端についているのがいわゆる振動子。値段は14万8,390円(税込み)。正直、落として紛失したら大ショックだ。

ブラックボックスGLS10 (ガーミン)
ブラックボックスは背負子の上部に固定。ライブスコープは非常に多くの情報を取得して発信するので、ブラックボックスの助けがいるのだ。

バッテリー
バッテリーは個人的にテッペイが使っている魚探用のコンパクトタイプ。リチウムではなく鉛製。

DAIWA・カゴバッグ改
このフレームはDAIWAのフレームザックを改造して制作。今回1日の取材の中でも、3回の改良を施して、進化し続けた。

試しに土手を降りてみたら、草刈り機の音がかなり遠くなった。これならいける。テッペイはスイッチを長押しした。すると、画面にはGARMINの表示。通電している。護岸の際から、アルミポールを下ろし、振動子を水中に入れた。するとモニターには、桃源郷が映し出された。

オリキン「ひゅ~、これはスゴイ」
テッペイ「これ全部魚じゃないの? すごい量だね」
オリキン「いや、魚は魚だけど、バスかどうかはわかりません」
テッペイ「でかいな!」
オリキン「それ絶対、巨大魚です。レンギョいっぱいいますから」

この場所ではロッドは振らず、別のポイントに移動してみたがそこはあんまり魚がいなかった。

テッペイ「よし、じゃあ絶対に魚がいるってわかってる場所に行こうぜ。先週、サミーで2回ヒットさせたからさ。多分、バスの魚影が濃いはずだ」

いざ、有望ポイントへ!
つい先週、霞ケ浦に来た際、サミーで2バイトあったという支流へと移動。バスがいる確率の高いところでライブスコープを使えば、歴史的一尾を手にできるかもしれない!

これにはオリキンも賛成して、常陸利根の支流に入った。斜め護岸を降りて、振動子を水につけてみると。

オリキン「これは…バスかもしれない」

ほんの10mほど先に魚らしき反応がある。まずはスピナーベイト。

テッペイ「追ってる!」
オリキン「バスっぽいですね」

ライブスコープの画像で魚種まで見極めるのは難しい。でも、ルアーを追ってきたら、それはバスである可能性が高いのだ。

テッペイ「ダウンショットは?」
オリキン「やってみますか!」
テッペイ「今沖に大群がいるよ」
オリキン「バスじゃないですね。カスミのバスがそんなにいっぱいいるわけないから(笑)」

大群もバスではないらしい。それもなんだか夢がないなあ。

ついに初のオカライブ開始!
魚が少ないと思われていた常陸利根川。ライブスコープで見ると、まるで水族館のように、うじゃうじゃと魚がいた。これには感動! ただし、バスかどうかは分からない。

オカライブ第三世代に進化中
初のオカッパリライブスコープを体験したら、オリキンが本日3回目のチューニングに入った。魚探本体の安定性が上がって、ショルダーハーネスも快適に。

祝・人類史上初 オカッパリライブサイト・フィッシュ

― そのとき歴史が動いた! 世界初(!?)の偉業達成!

テッペイ「やっぱりサイコロラバーのダウンショットがいいんじゃない」
オリキン「HPミノーのダウンショットやります」

テッペイは、振動子を動かしてバスらしき影を探す。

オリキン「6m先にバスっぽい魚がいますね」
テッペイ「追ってきたね。ここもなんかいるじゃん」
オリキン「来た、何かが来た」
テッペイ「来たね」
オリキン「おっ、おっ、おっ」
テッペイ「来た来た来た!」
オリキン「やったやった」
テッペイ「見たよね?」
オリキン「見た! すごーい」

ここまではモニターを見た2人の会話。そして気がつけば、オリキンの手には小さなバスがぶら下がっていた。

オリキン「やったー!」
テッペイ「これはひょっとすると人類史上初のオカッパリライブサイト・フィッシュじゃないか?」
オリキン「間違いないでしょ。面白かった!」
テッペイ「俺たちが一番乗りだ」

サイズはともかく、バス釣りの歴史に新たな1ページが加わる大きな意味のある魚。偉業を成し遂げたふたりは大興奮だ!

世界のどこかでやってる人がいいるかもしれないけれど、とりあえず知ってる範囲では、オカッパリライブサイト最初の獲物だ。パイオニアとなったテッペイとオリキンは、最高の気分。何より、楽しかった!

― この大きさのバスだって、世界初は世界初だ

2人で画面をのぞきつつ、HPミノーのダウンショットを追ってきた魚が、襲い掛かる瞬間まで目撃! それと同時にロッドが曲がり、ついにキャッチ! サイズがアレだが、きっと恐らくオカッパリでは世界初のライブサイトフィッシュ。サイズは関係ない。

どうせなら、俺にも釣らせろライブスコープ

― 新たな釣りの楽しみ方発見! もしかしたらこれ流行るかも!?

テッペイのお腹の大きさに合わせるため、昼食後はホームセンターに立ち寄り資材を購入。背負子の枠を増強させ、水中に入れる振動子の棒も伸ばした。

― オリキンに妥協という文字はないのだ

規格外のテッペイの体に合わせるために、昼食後はホームセンターに立ち寄り物資調達。オリキン「コ○リじゃ売ってないんですよ、ケーヨーデ○ツーじゃないと好きなパイプ素材が売ってなくて」
第4世代完成!

そして完成した第4世代モデルは、120kgを超えるテッペイのお腹もしっかりと収まり、バーが伸びたことで水中もサーチしやすくなった。釣り終了まで残り約1時間。追加フィッシュを狙って和田ワンドに望みを託す。

テッペイ「18m先のクイまでバッチリ映ってるな。結構追ってくるじゃん!」
オリキン「めっちゃ魚いますね。ただこれもバスじゃないんだろうなぁ…。いや、少しバスもいるっぽい。この追い方はバスですよ」

スマホに飛ばす機能あり

ライブスコープの画面はモデルによってはWi-Fiでスマホに飛ばすことができる。カメラマンもリアルタイムで画面を確認できるので、釣りの興奮を共有できる。これもライブスコープならでは。

和田ワンドに無数にあるクイを、スピナーベイトやダウンショットで1本1本探っていく。

オリキン「魚がいるクイといないクイがはっきりしてるんですね。これはライブスコープじゃないとわからないことですよ」
テッペイ「今は霞ヶ浦の魚が減っちゃったけど、もっとバスがいたころにこれ使ってたらどうなってたんだろうな」

結局、この日は追加の魚は釣れず納竿。しかしながらオカッパリライブスコープの可能性を大いに感じることができ、実験は大成功と言えるだろう。

テッペイ「小バスしか釣れなかったけど、めちゃくちゃ 楽しかった! 背負子のシステムも良かったし、オリキンに頼んで正解だったよ!」

オリキン「まだまだ改良の余地がありそうですけどね。もっと時間があれば…」
テッペイ「じゃあ今度は2台用意してライブスコープ陸王でもやるか!?」
オリキン「こんな重たい魚探道具一式を背負いながら歩けるの、テッペイさんくらいしかいませんよ…」

なにはともあれ、バスを釣ることができた今回の実験。この企画が好評ならリベンジ編がある、かも? 協力者募集中です!

和田ワンドではおよそ20m先のクイや魚の群れ、チェイスもバッチリ映る! 魚が全然いないクイ、何回通しても魚が追いかけてくるクイがあったりと、なかなか興味深かった。ライブスコープ、楽しいぞ!

ライブスコープを背負って釣りをしてみたが、画面が邪魔でキャストもアクションもままならない。ふたり釣行専用の釣りですな。

シンドラ横丁

― 潮来に行ったら、和源でランチ

潮来の近くで釣りした際、ランチタイムは和食の美味しい「和源」がオススメ。テッペイは悩んだ末にサンマ塩焼き定食を選択。車だけではなく、ボートでも行ける店なのだ!
住所:茨城県潮来市潮来532。水曜定休。


※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。

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