神奈川最大級の前方後円墳、整備工事が終了へ 逗子・葉山の市町境、4月から一般公開

4月から一般公開される長柄桜山古墳群の第1号墳後円部=2023年12月12日

 神奈川県逗子市と葉山町にまたがり、現存する遺構で県内最大級の前方後円墳「長柄桜山古墳群第1号墳」の整備工事がようやく終了する。両市町が連携して、墳丘保護のための盛り土や植栽工事などを10年がかりで実施。貴重な文化遺産を保護しながら、4月から一般公開される予定だ。

 同古墳群は1999年、葉桜団地西側に位置する標高120メートルの山頂(第1号墳)で葉山町民が埴輪(はにわ)片を発見したことをきっかけに存在が知られることになった。その後、約500メートル離れた西側の丘陵部(第2号墳)も同様の古墳であることが判明した。両古墳とも2002年に国指定史跡となった。

 第1号墳は全長91メートル、後円部の直径52メートル。古墳の上には円筒埴輪とつぼ型埴輪が並べてあり、後円部の中央では木棺を粘土で覆った埋蔵施設が1基築かれていた。保存状態が良好で、古墳時代前期の4世紀ごろとみられる築造当時の姿をよく残している。

© 株式会社神奈川新聞社