児童1人…玖珠町の古後小「多くの経験を」 九重町でのスキー授業復活【大分県】

スキーを楽しむ河津智樹君(左)。右は飯室浩幸校長=九重町

 【玖珠・九重】玖珠町の古後小は、九重町のくじゅう森林公園スキー場でスキーの授業をした。児童は5年の河津智樹君(11)1人だけで、「多くの経験を積んでほしい」と企画した。

 体育の授業として昨年12月20日に実施した。河津君は飯室浩幸校長(60)や地域おこし協力隊員、インストラクターから手ほどきを受け、スキーに挑戦。「あまり得意ではない。疲れて大変だったけど、滑るのは楽しかった」と話した。

 スキー場がオープンした1996年からしばらくは、学校単位で訪れていた。昨年赴任した飯室校長が「人数が少ないからこそ、たくさんの経験をさせたい」と復活させた。

 同校では古後地区の文化財について学び、周辺に点在する滝の見学ツアーを企画するなど、地域に根ざした独自の学習に力を入れる。地域住民が指導役を務めることも多いという。

 「1人で勉強するのは寂しい時もあるけど、地域の人たちがいつも声をかけてくれる」と河津君。飯室校長は「小規模校はできないことも多い。大人になって、古後小に通って良かったと思えるよう、周囲のサポートを受けながらできることを増やす工夫をしていく」と話した。

© 有限会社大分合同新聞社