「光る君へ」吉高由里子&柄本佑が観客と第1回を鑑賞。「辛い評価は嫌よ、だってまだ長いから(笑)」とお願い

NHK総合ほかで1月7日にスタートした大河ドラマ「光る君へ」(日曜午後8:00ほか)。その初回放送に合わせて、物語の主な舞台地である京都市で、主人公・紫式部(まひろ)を演じる吉高由里子と、紫式部の生涯のソウルメート・藤原道長に扮(ふん)する柄本佑が参加した、パブリックビューイング&トークショーが開催された。

「光る君へ」は、貴族文化が花開いた平安時代を舞台に、世界最古の女性文学と言われる「源氏物語」を生み出した紫式部(まひろ/吉高)の人生を描くもの。脚本は、同局の大河ドラマ「功名が辻」や連続テレビ小説「ふたりっ子」、「セカンドバージン」など、数多くのヒット作を手掛けてきた大石静氏が担当している。

京都テルサで開催されたイベントは、NHK BS・BSP4Kの放送に合わせて第1回を視聴後、トークショーを実施。終始和やかな雰囲気に包まれる中、盛況のうちに終了した。

「今日は、イベントにこんなにたくさんの方に集まっていただいて、一緒に見ていただいて感謝です!」と声を弾ませた吉高は、「第1回はこの物語の土台が描かれる回なので、子役の2人のエネルギーが爆発していたし、本当にその時代に生きている子たちに見えて、それが素晴らしいなと思います。せっかく彼らが丁寧に作ってくれた第1回なので、第2回から大人のまひろと道長が壊してはいけないですね。(道長は)会えなくても、実らなくても生きてくれていたらいいと思える人。道長がどうなっていくかを遠くから見つめているだけでいい、別々の2人が同じ時代を一緒に生きてきたということが、まひろにとって生きがいだったのかな、と感じながら演じています」と、道長への思いを明かす。

加えて、「こんなに撮影期間と、視聴される期間が並行して走るドラマはないと思いますので、私たちも丁寧に作りつつ、皆さんも視聴していただいて、みんなで育てていくドラマになるんじゃないかなと感じました。なので、皆さんの見た感想とか、励みになるような発言をいっぱい発信していただけたら、私たちは12月まで走り切れるんじゃないかと思います。辛いの嫌よ、だってまだ長いから(笑)」と、批判のコメントはやめてほしいと訴えつつ、「撮影も3分の1ぐらいしか終わっていなくて、まだまだスタミナをつけて走らなきゃいけないので、皆さんの支えがあっての大河ドラマになると思います。温かい気持ちで、一生懸命頑張りますので、見守っててください」と呼び掛けた。

「第1回は、子役の2人(落井実結子、木村皐誠)が躍動して、画面から飛び出てくるような勢いの素晴らしいお芝居でしたね! 身の引き締まる思いです。元気も勇気ももらって第2回から突き進んでいきたいですね」と第1回で魅力を放った2人の演技に触れた柄本は、「『光る君へ』の藤原道長は、いわゆるヒールの権力者ではなく、人間めいた部分を描いていきます。政(まつりごと)に前のめりではない、のんびり屋な三男が、徐々に権力者になっていく、本当の自分との差がある人物だなと理解しながら演じていっています」と、自身が演じる道長の人物像を伝える。

さらに、「道長は、まひろ(紫式部)に対しては本当の自分でいられる。本気で愛して本気で受け止められて、本気でぶつかり合える相手なのだと思っています。まひろと道長は会える時間も会えない時間も大切に生きているんです」とまひろへの思いを語った。そして、「撮影開始から7カ月。ついに皆さんにご覧いただくことができて、放送開始をじわじわと実感しています。本日は皆さんのパワーをいただきました! それをまた次の撮影に生かしていきます」とイベントの感想を話した。

今回のイベント直前に、吉高と柄本は、平安時代に紫式部が実際に参拝したといわれている上賀茂神社で行われた会見にも出席。上賀茂神社は、境内にある片山御子神社(片岡社)を詠んだ和歌が残るなど、紫式部とゆかりの深い神社だ。

吉高は「年明けから大変なことが立て続けに起こり、まだ胸が痛い思いをされている方も多いさなか、被災された方々の日常が1日でも早く日常が戻るように祈りつつ、娯楽は命あってのものだと思うので、何でもない日常が戻った時に、ひと時の癒しや楽しみとして寄り添えるようなドラマになればと願いながら、1年間頑張っていきたいなと思っています」とあいさつし、「今日、初めて上賀茂神社に参拝させていただいたのですが、1000年前にあった風景と一緒の庭園を見て、ものを大切に残しながら変化していく京都のあり方に感銘を受けました。また、1000年という年月がたっても、人々の好みは変わらないことを感じて、不思議な気持ちになりました」と心境を述べた。

柄本も「年明けから大変なことが起こっていますが、本日こうして京都で皆さまの前でお話できている幸せな状況を、あらためて感じています。『光る君へ』が皆さんに元気を与えられる作品になればと思っております」と気持ちを新たにし、「上賀茂神社を参拝させていただきました。その当時、藤原道長や紫式部が見ていたであろう景色がそのまま残っていて。それを見られたことが、今後セットで撮影する時も想像を働かせながら芝居をすることができますので、その世界を演じる上でとても助けになっています。とてもいい機会になりました」と、役づくりの上で重要な訪問となったことを強調した。

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