宅間孝行演出 タクラボ『WHAT A WONDERFUL LIFE!』ー素晴らしきかな 人生ー 開幕

第2弾は東京セレソンDX時代から続く、『WHAT A WONDERFUL LIFE!』ー素晴らしきかな 人生ー。伝説のオムニバスストーリー、人生の素晴らしさを訴える。宅間孝行が演出に徹する2024年新春、7年ぶりの再演。始まる前に前説、ここで作品の概略が説明される。

また、カーテンコールは撮影OKのアナウンスもここで。それから始まる。
プロローグ、季節はクリスマス。ヤクザ・岩木(東貴博)と丸暴の刑事(浜谷健司)、2人何やら…。

場所は屋台のおでん屋、常連っぽい。「人生は素晴らしいもの」と岩木。この作品のテーマでもある。音楽、皆で熱い台詞を。「泣かないで、みんなが待っている!」「泣かないで、笑顔を見せて!」

そして最初の物語、季節は春、場所は中山競馬場、「桜ほころぶ桜が翔る」。

まさに競馬場なので手にしているのは競馬新聞。競馬なので、そこは悲喜こもごも。だが、こういったギャンブルで人生の歯車が狂ってしまうこともある。なんと!会社のお金を!つぎ込んでしまった銀行員(東貴博)、当然、必死!

競馬に詳しいオタクや予想プロ、果ては掃除のおばちゃんも!予想、予想!台詞をよく聞くと…馬の名前、番号、時事ネタだったり(笑)、細かいところまでのこだわり。騒がしくも賑やかな”春”。

春ときたら次は夏。「熱いアイツは灼熱の楽屋裏」、場所は花園神社。花園神社、演劇と言えば、”テント”。呼び込みのプラカードを持って!劇団の名前は”劇団白テント”、場所は楽屋。インパクトのある風貌のおばちゃんが!マシンガントークで自分の話を!面食らう劇団員。

だが、その口からは驚愕の!ちなみに作・演出は”奈良九郎”、ん?ここでも抜群のネーミングのセンスが(笑)。楽屋裏でのありそうなエピソードなどを散りばめつつ、わいわいと。劇団員が個性的、衣装も一度見たら忘れられない。すったもんだの大騒ぎ。

秋は「天高く、愛は、散る」場所はヤクザの組長のお屋敷。タイトルは「天高く馬肥ゆる秋」をもじったもの。高校生の娘、それからお手伝いさん。このお手伝いさんが早々に大変なことをやらかす。焦るお手伝いさん。「お嬢さん」と呼ぶ声。組長の屋敷なので、組員が、当然屋敷に。頭(東貴博)、スーツにサングラス、白いマフラー、定番ないでたち。舎弟は”チンピラ”らしい服装。ここでひと騒動、いや1つじゃない!

娘が!舎弟の1人とラブラブだし、訪れたドレス姿の女性、何か企んでいる様子、バッグにはやばいものが!舎弟の1人が「競馬でスった」頭は「人ごととは思えない」と呟く。頭はドレス姿の女性の企みを見抜いていた…。

刑事2人先輩・黒須(浜谷健司)、後輩・桑山(橋本真一)の二人組、”物語”の合間に登場するのだが、この2人、物語の重要な人物、特に最後の場面で!「あれから15年」、時間が経てば時効が成立する。桑山は真実を知りたいと思うが黒須は…。

最後の物語は冬、「15年目のメリークリスマス」屋台のあるとある公園、ホームレスの人々が炊き出しのものを食べている。その中に孤独にぽつんと座っっている、おそらく初老のニットの帽子を目深に被った人物、訳ありな様子。黒須が男に近づいていう「あなたに会わせたい人がいるんです」と。帽子の男はじっとしている。

少女が男にガーベラの花を一輪(「天高く、愛は、散る」にもガーベラ登場)。桑山は男に向かって自分の推理を語る。正義感が強そうな実直そうな刑事。最後に…男は語り出す。男は…岩木だった…。

ラストシーン、車椅子に乗った岩木、ニット帽を被っている、さらに年齢を重ねた様子、介護の人が付き添う。

それから、彼が関わったキャラクターが次々と登場、ここで観客は全てを知る仕組み。皆がアカペラで歌う、この作品の根幹をなす歌、作詞・作曲は宅間孝行。全編”LOVE”に満ちた歌。

絵に描いたようなハッピーエンドでもなんでもないが、主人公が歩んだ人生がここで凝縮される。いろんなことがあった彼の人生、順風満帆ではない、波乱に満ちた、山あり谷あり、いや、もしかしたら谷ばかりだったかもしれないが、それでも生き抜いた。そこに人生があり、最後に光り輝く。だから『WHAT A WONDERFUL LIFE!』。

イントロダクション
「時間がない!」をテーマにした4本立てのオムニバス作品。
シチュエーションを「春の中山競馬場」「夏の花園神社」「秋のヤクザの組長の邸宅」「屋台のある冬の公園と変えて繰り広げる !!
爆笑STORYあり、号泣STORYあり、、、。
4本のSTORYを通じてあなたに人生の素晴らしさを訴えます!
観劇したあとには全キャラクターが愛おしくなる!
新年の幕開けに相応しい伝説の作品をぜひ劇場で!!

概要
舞台「WHAT A WONDERFUL LIFE!」 ー素晴らしきかな 人生ー
作・演出:宅間孝行
日程・会場:2024年1月9日(火)~1月14日(日) シアターサンモール
出演:
東貴博 浜谷健司(ハマカーン) 橋本真一
留依まきせ 増田つき 横山涼 大薮丘 竹内茉音 染川翔 川崎瑠奈 宮本剛徳 河内宏大 田村依里奈 西郷真悠子 竹内まゆ 住永侑太 矢野ななか ヨスケ。 藤綾近 藤村はる美 南部海人 市島琳香 咲楽あさみ 鶴元花菜美 内藤真帆
スタッフ
照明:山田真輔 / 美術:向井登子 / 音響:野中明/ 歌唱指導:田村依里奈/舞台監督:仲里良/
票券: レコチョク / 制作:CHAMO ・三村楽/ 製作 :タクラボ

X:@Takuma_new2023
Instagram: takuma_ laboratory

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