プラントベース飲料と豆乳

近年、世界的にプラントベースフード、飲料市場が活発

プラントベース(Plant-based)フードの食事とは、アメリカで始まった、植物性食品を積極的に取り入れる食事スタイルのことです。1980年代にアメリカの生化学者コリン・キャンベル博士が、健康に焦点を当てた低脂肪、高繊維、植物ベース(プラントベース)の食事を呼びかけたことが端緒とされています。

近年、世界的にプラントベースフード、飲料市場が活発化しています。プラントベースフードが注目を集める背景として挙げられるのが、地球温暖化をはじめとした、SDGsや環境問題への関心の高まりです。例えば、近年話題を集めている大豆ミートの場合、大豆を育てる際に排出される二酸化炭素や使用する水源の量は、食肉(畜産)よりも遥かに少ないとされています。このようにプラントベースの実践は、環境への負荷が畜産よりも少ないことから、地球温暖化や森林破壊の防止が期待されると考えられています。

2023年現在の世界人口は80億人ほどですが、2058年には100億人を超えると推計されています。世界人口が増えることで、たんぱく質をはじめとした食糧不足問題の加速が懸念されています。肉類や魚介類などの動物性たんぱく質だけではなく、植物性たんぱく質にシフトしていくことで、世界的なたんぱく質不足を回避できる点も、注目を集める要因となっています。

プラントベースフードのメリットは、植物性の食品は動物の食品に比べカロリーが低い傾向にあるため、ダイエット効果が期待できることです。腸内環境が悪いと代謝が悪くなったり、腸内で糖質が吸収されやすくなったりしますが、食物繊維には、腸内環境を整える働きがあります。また、病気の予防という点で、植物性食品に多く含まれるミネラルは、身体機能の維持・調整に不可欠であり、カリウムは塩分排出のサポートや高血圧を予防に効果があります。

主要なプラントベース飲料の特徴

プラントベースフードだけではなく、プラントベース飲料の需要も拡大傾向にあり、植物性ミルクも豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクなどさまざまな種類が市場に出回っています。植物性ミルクとは、豆やナッツ、穀物など植物性の素材から作られる飲料のことで、素材そのものの味わいが楽しめるものから、砂糖や蜂蜜を加えて飲みやすくしたものまで、さまざまな商品が販売されています。植物性ミルクの代表格が、大豆を原料とする豆乳です。
アーモンドミルクとは、茹でたり湯につけたりしたアーモンドの実をすりつぶして水を加えて滑らかにし、それを濾して作られる飲料です。オーツミルクとは、オーツ麦というオートミールやグラノーラの材料にもなっている穀物からつくられる飲料のことです。オーツ麦は悪玉コレステロールを減少させるといった効果が期待されています。

豆乳の特徴と優位性 

豆乳は、植物性なのでコレステロールゼロでヘルシーです。また乳糖不耐症の方や、ヴィーガン志向の方でも安心して飲むことができます。100ml当たりのカロリーは、44kcal、たんぱく質は、3.6g、カルシウムの含有量は、15mgとなっています。

豆乳に多く含まれるタンパク質は、体の組織(筋肉、内臓、肌、髪など)をつくる材料になる栄養素の一つです。そのため豆乳は、筋肉を増やして基礎代謝を上げるための筋トレなどのお供にぴったりと言えるでしょう。大豆特有の栄養素であるイソフラボンは、骨粗しょう症の予防や更年期障害の軽減などに効果があります。また、大豆レシチンは、アルツハイマー型認知症や動脈硬化予防、肝臓機能の向上に効果があり、大豆サポニンはコレステロールを除去したり、体内で血栓をつくり動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制したりする効果があります。このように、豆乳には他のプラントベース飲料にはない大豆由来の健康効果が期待できます。

豆乳はおいしいだけでなく、体にとっても良い優れものです。毎日の生活に気楽に楽しく豆乳を取り入れていきましょう。

(2023年12月30日豆乳あるあるマップ掲載記事より)

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