シース争奪戦 米記者がオリオールズを最有力候補に挙げる理由とは

スプリング・トレーニング開始までにトレードされる可能性が高いとみられているディラン・シース(ホワイトソックス)だが、トレード交渉はあまり進展していない。ホワイトソックスのクリス・ゲッツGMが「ほぼ全てのチームが一定の興味を示している」と語るように、FAまであと2年保有できる右腕には多くのチームから関心が寄せられているようだが、ホワイトソックスが莫大な対価を求めていることがトレード交渉の進展を妨げている。そんななか、複数の記者がシース獲得の最有力候補に挙げるのがオリオールズだ。

米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、ホワイトソックスはFA市場から有力な先発投手が消えるまでシース放出を待つ方針だという。FA市場にはまだブレイク・スネル、ジョーダン・モンゴメリー、マーカス・ストローマンらが残っており、彼らの獲得を逃したチームが多くの対価を支払ってシースを獲得してくれる展開を期待しているようだ。

ホワイトソックスはシース獲得に必要な対価のレベルをかなり高く設定しているとみられ、レッズに対して4~5人のプロスペクト(若手有望株)を要求していたことが報じられている。米スポーツ専門チャンネル「ESPN」のジェシー・ロジャース記者によると、ホワイトソックスはシースの対価として「複数のトップ・プロスペクトと数人の下級プロスペクト」を要求しているという。1人のトップ・プロスペクトを軸としたパッケージでは、シース放出に応じるつもりはないようだ。

そうした状況も踏まえ、ローゼンタール記者やロジャース記者、米メディア「ジ・アスレチック」のジム・ボーデン記者は、いずれもオリオールズをシース獲得の最有力候補に挙げている。オリオールズはMLBパイプラインが発表しているプロスペクト・ランキング全体トップ100に6人の野手がランクインしているように、野手プロスペクトの層が非常に厚く、人員余剰気味になっている。その一方で先発投手陣は決して強力な顔ぶれとは言えず、複数の野手プロスペクトを放出してシースを獲得するという動きはチーム状況にフィットする。

トレードを成立させられるだけのプロスペクトの層があり、エース級の先発投手が必要というチーム状況もある。マーク・エライアスGMが複数の野手プロスペクトを手放す決断さえすれば、オリオールズがシース獲得に成功する可能性は高いのではないだろうか。

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