玉城デニー知事「諦め感を植え付けるのは間違いだ」 大浦湾着工の国を批判 県庁を訪ねず離島に行く防衛相に不快感

 「極めて乱暴で粗雑」「沖縄の苦難の歴史に一層の苦難」-。10日、大浦湾側の工事着工に対して取材に応じた沖縄県の玉城デニー知事のコメントには、政府を厳しく批判する言葉が並んだ。

 午後4時半、県庁1階ホールで約50人の報道陣の前に現れた玉城知事は厳しい表情。普段よりもややゆっくりだが強い口調でコメントを読み上げた後、記者の質問に約20分間答えた。

 質疑の中で木原稔防衛大臣に東京事務所を通じて面会を申し込んでいるが「先方の日程の調整などについて、その調整待ち」になっていると明かした。その上で「防相は県庁に直接来訪せず、県内の離島で面談をしている。その過程で県庁にお越しいただく時間も取れたのではないか」と不快感をあらわにした。

 また、代執行から2週間余で着工に至った国の対応について問われると「畳みかけるように工事を進めることで、諦め感を植え付けようとする考えであれば、それは大きな間違いだと言わざるを得ない」「(国に対して)改めて意を強くしなければならない」と語気を強めた。(社会部・榧場勇太)

会見を終え、厳しい表情で県庁を後にする玉城デニー知事=10日午後4時55分(古謝克公撮影)

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