カザフスタン市場に挑む道内企業・後編

1月13日放送のけいナビは、2週連続企画「カザフスタン市場に挑む道内企業特集」の後編。国際協力機構(JICA)主催のビジネススタディツアーに参加した道内企業6社のうち、水産加工の2社の動きにスポットを当てた。

経済成長が続く中央アジアの国カザフスタンは内陸国だが、カスピ海に面することから魚介類が多く流通。水産加工関連の企業もあり、市場も拡大しつつある。

一行が向かったのは、最大都市のアルマトイ。人口は札幌とほぼ同じで、気候も似通った部分が多いという。

アルマトイの市場では、魚介類だけでなく羊や牛、豚の肉も並ぶ。シルクロードに沿うような形で街が形成されていった。

スーパーマーケットでは日本語を記した商品も多く見られ、日本への関心の高さがうかがえる。三菱UFJ銀行の現地駐在員はカザフスタンの市場について、「大企業が参入するほどのマーケット規模ではなく、中堅・中小企業にとってビジネスチャンスが多く広がっている」と説明する。

ツアーに同行したうちの1社が、食品加工機械を製造販売するタイヨー製作所(北斗)。同社の丸山浩平社長(一番右)は「これまでロシア企業との取り引きを多く行ってきたが、ウクライナ侵攻以降は取引量が5分の1にまで減ってしまった」と窮状を口にする。

丸山社長らは、現地の水産加工会社を訪問。そこで目にしたのは中国製の機械を多く導入していている実態だ。ここに道内企業の参入余地があるのではないかと考え、ビジネスセミナーでは自社製品の特長を詳しく説明した。

セミナーに参加した現地の水産加工関係者は、イクラをひと粒ずつばらばらにできる機械を目にし、道内企業の製品力の高さに関心を示していた。

丸山社長は、既に商談が進んでいる企業があるとした上で、「リスク分散の観点からも取引相手国を複数持つことが重要」と指摘。カザフスタンの企業との今後の取引拡大に意欲を見せた。
(2024年1月13日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)

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