貴重な「昭和の電車」 野岩鉄道6050型装い新たに

 野岩鉄道・会津鬼怒川線で使用されている車両が、このほどクラウドファンディングなどを活用して改修が行われ11日に関係者に披露されました。

 今回よみがえった6050型電車は、東武鉄道、会津鉄道も所有し、一時期66両が存在しましたが、今は野岩鉄道に2編成4両が残るのみです。今回の編成は1988年(昭和63年)地元宇都宮の富士重工製造で、全国でも数少なくなった「昭和の雰囲気を残す車両」として人気でした。

 しかし老朽化が激しく、2022年クラウドファンディングでの改修を呼びかけたところ、全国から1100人以上、2200万円ほどの資金が集まりました。

 改修にあたっては貴重な車両のため、外観は原形の色づかいを守り内装に工夫を施しています。1号車はガラッと変わって座席を撤去し畳敷き。掘りごたつもあります。

 2号車は全く手を付けておらず、座席もそのまま、懐かしい昭和の香りさえします。車内には廃車された本物の6050型の運転台を使って雰囲気を体験できるブースもあります。

 ローカル鉄道の現状は全国的に厳しく、野岩鉄道の輸送人員は1991年度の約117万人をピークに、コロナの影響があった2020年度は14万4000人にまで減少しています。

 この車両は畳敷きの車両は指定券が必要で、1月26日に運行を始めます。本格的な運行は3月からで、金、土、日曜日に臨時列車として走ります。

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