「75歳」カルテット音色生き生き 「音楽は人をつなぐ力」 退職金つぎ込み沖縄通う団員も

平均年齢75歳のフェリーチェ弦楽四重奏団の(右から)和田睦夫さん、石嶺幸信さん、岳原恵美子さん、宮城多佳子さん=11月23日、浦添市のアイム・ユニバースてだこ小ホール

 【浦添】沖縄県内ベテラン弦楽器奏者による平均年齢75歳のカルテット(四重奏団)が元気に演奏活動を続けている。バイオリンの岳原(おかはら)恵美子さん(77)を中心にした「フェリーチェ弦楽四重奏団」。昨年11月に浦添市のアイム・ユニバースてだこ小ホールで開かれたフェリーチェ音楽教室の発表会に出演し、ハイドンの名曲などに挑んだ。(役員室・上間正敦)

 同四重奏団は2009年に結成。メンバーは岳原さんの他、第2バイオリンの宮城多佳子さん(73)、ビオラの和田睦夫さん(73)、チェロの石嶺幸信さん(75)。4人とも50年以上の演奏キャリアがあり、県内外のアマチュアオーケストラで活動した経験がある。

 和田さんは東京在住で、練習のため、数カ月ごとに沖縄を訪れる。「退職金をつぎ込んで沖縄に帰ってくるが、みんなと会えるのが楽しみ」と仲間との付き合いを大切にしている。

 フェリーチェ音楽教室はリーダーの岳原さんの娘が主宰。発表会では、鳥のさえずりを思わせる主題で人気があるハイドンの弦楽四重奏曲第39番「鳥」に挑戦した。4人は呼吸を合わせ、生き生きとした演奏を披露した。

 リーダーの岳原さんは「音楽には人を楽しませるだけでなく、(人をつなぐ)別の力も備わっている」と語り、仲間たちとの絆を再確認した様子。それぞれ年を重ね、体の不調も乗り越えながら、聴衆の前で演奏できる喜びを感じているといい、「どこまでできるか分からないが続けていきたい」と意欲的だ。

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