ゼクシオ エックス ドライバーを住吉大輔が試打「カスタムしがいのある性能」

菅沼&青木の躍進を支えた1W 屈強なレッスンコーチの評価は!?

ダンロップ「ゼクシオ」シリーズの派生モデルとして2019年に誕生した「―エックス」も、今作で3代目。効率的にヘッドのたわみを生み出す新機能「BiFLEX フェース」を搭載した「ゼクシオ エックス ドライバー」は、菅沼菜々や青木瀬令奈がすぐに結果を出したことで話題となった。そんな“即戦力1W”をヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ゴルフテックで1・2を争う強振スインガー・住吉大輔コーチの評価は!?

「適度な操作性が必要な分、『―13』のほうが扱いやすいかも」

シャフトがミスマッチだったのか左へのミスを連発…

―率直な印象は?
「私のHS(平均49m/s)では、リシャフトの必要性が出てきてしまうほど、このまま(純正シャフト)では厳しい印象です。『ゼクシオ 13 ドライバー』より強めに振ってもつかまりすぎず、吹け上がらずに適度な弾道を保って、耐えられる感じはあったのですが、比較的につかまり感が抑えめなため、もう少し繊細なセッティングが必要。極端な特徴の『―13』のほうが、シンプルで分かりやすい分、扱いやすく感じられました」

左が23年、右が21年モデル。高反発を生み出す「リバウンドフレーム」は継承

―『―13』のほうが扱いやすい…?
「はい。つかまり具合は『―13』のほうが強すぎるのですが、HSさえゆっくり振れば、しっかり意図した弾道を作ることができる。適度な操作性がある『―エックス』は、HSを合わせようと遅く振りながらも、ヘッドコントロールも要求されるため、しっかりとしたカスタムの必要性を感じます。予想通りの球筋が作れるという理由から、純正シャフトのままなら『―13』のほうが実戦向きと感じました」

左が今作の純正「Miyaazaki AX-3」、右が「Miyaazaki AX-2」

―前作<21年発売モデル>と比べると?
「そこまで大きな差はありませんが、正直、前作のほうが振りやすく感じました。強振をしても耐えてくれる許容範囲は広く、よりミスヒットに強い印象。初速はどちらもしっかり出ていましたが、比べると前作のほうが左右の曲がり幅は抑えられました。すでに同シリーズを所有している人にとっては、あえて買い替える必要性はないかもしれません。ただ、カチャカチャ機能があるのでロフト角を立たせたり、よりアスリート向けのシャフトにいれ替えることは可能なので、寛容性の高いモデルを自分好みにアレンジしたい人には、最適なモデルだと思います」

今作(左)は前作(右)に比べて「アクティブウイング」以外のラインが無くなった

―アベレージ向き? それともアスリート向き?
「前作よりスッキリしたカラーリングと、シンプルなデザインの見た目、またソリッドな打感は、アベレージだけでなくアスリートゴルファーにも受け入れられる気がします。正直、私のHSではこの純正シャフト(Miyazaki AX-3)はやわらかすぎたので、常にクラブをしっかり振り切りたいゴリゴリのアスリートゴルファーにはマッチしないかもしれません。が、組み合わせを替えれば、また面白いと思えるクラブになり得そう。それほどポテンシャルは高く、元々ヘッドが持っているつかまりの良さは、多くのゴルファーにとって武器になる汎用性を感じます」

打点位置によるインパクトを徹底科学して開発された「BiFLEX フェース」

―他社でいうと類似モデルは?
「楽につかまってくれて直進性も併せ持っている点を考慮すると、ピン『G430 SFT ドライバー』になるでしょうか。しかも初速スピードは、『G430』より上。人気の高慣性モーメントヘッドに、より弾きを増したドライバーと考えていいでしょう。マイクラブとして『G430 MAX ドライバー』を普段から使用している私でも、『―エックス』のヘッド自体の性能の高さは魅力に感じます。何度も言いますが、あとは適したシャフトを合わせれば…というところです」

「寛容性を求めるなら『―13』くらい振り切って求めたほうが楽」と住吉

―どのような人向き?
「HS37~45m/sまで、非常に幅広い層のゴルファーが対象で、ミスの傾向としてはスライス気味の右方向に悩んでいる方向き。多少操作ができて、『―13』ほどではないものの、寛容性の高いクラブを求めている人に、すごくマッチすると思います。目安としては、ラウンドの日によっては、調整機能を使っていろいろ試したいかどうか。購入した状態のまま同じ設定で使う『―13』に対し、その日の調子で微小なアジャストを試みたい人には、『―エックス』が向いているでしょう。とにかくカスタムしがいのあるモデルだと思います」

純正シャフトでは限界か… 3点△が並ぶ結果に【総合評価3.4点】

【飛距離】4.0
【打 感】3.0
【寛容性】3.0
【操作性】3.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:Miyazaki AX-3(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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