「還付金もらえる」客の説明で特殊詐欺だと察知し説得 そのわずか30分後にも… JA職員2人お手柄 沖縄

 1時間に2件の特殊詐欺を未然に防止したとして、沖縄県警糸満署は12月27日、八重瀬町のJAおきなわ東風平支店貯金課の比嘉恵美課長(47)と高良里佳さん(34)に感謝状を贈った。県内では12月中旬から還付金詐欺の被害が30件以上と多発している。

 眞榮城嘉世署長は「詐欺被害を防ごうという思いに感服した」と感謝した。

 比嘉課長によると12月21日、60代の女性客が「還付金がもらえる」とうれしそうに来店したという。

 客は「還付金があるから通帳とキャッシュカードを持って銀行へ行くようにと言われた」と説明。比嘉課長は特殊詐欺だと察知し、女性を説得した。

 そのわずか30分後、今度は別の60代女性客が来店。電話をしながらATMを操作していたので高良さんが声をかけ、特殊詐欺を未然に防いだ。

 署によると、いずれも町役場職員を名乗る男から電話があり、「還付金が2万5千円あるので、銀行へ行くように」と指示されたという。

 高良さんは「お客さんは完全に信じ切っていたので、だまされなくて良かった。これからも積極的に声をかけていきたい」と述べた。

 比嘉課長は「お客さんも気になることがあれば、気軽に相談してほしい」と話した。(社会部・玉那覇長輝)

糸満署の眞榮城嘉世署長(左)から感謝状を受け取ったJA東風平支店貯金課の比嘉恵美課長(左から2人目)と高良里佳さん(同3人目)(提供)

© 株式会社沖縄タイムス社