ゼクシオ エックス アイアンを西川みさとが試打「『ゼクシオ 13』との差が明確」

高弾道&大きな飛びを生む3代目 HS40m/s未満の女子プロ評価は!?

ダンロップ「ゼクシオ」シリーズの派生モデル「―エックス」のアイアンとして、3代目となる「ゼクシオ エックス アイアン」。薄肉鍛造フェースと大きなたわみを生む構造に、大型高比重タングステンニッケルウエートを配置することで、高弾道で大きな飛びを生む性能に仕上がったという。3代目にしてかなり完成度が上がったと評判のNEWアイアンを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「とにかく“適度”でちょうどいい 顔も打感も前作より好印象◎」

少し左右のバラつきは見られたが 7Iで平均144.6ydとかなり飛んでいた

―率直な印象は?
「振り心地は軽快で、ボールのつかまり具合も適度で、とても心地いいです。ヘッドはそこまで大きすぎず小さすぎず、適度なサイズ感で構えやすい。形状もシュッとしていてスッキリ見え、バックフェースも派手すぎずシャープな印象で格好いい。打感は前作より少しやわらかくなっていて、食いつくフィーリングもちゃんと味わえる。とにかく“適度”という言葉がマッチするちょうど良さが魅力なアイアンだと思います」

「MAINFLAME(メインフレーム)」と呼ばれるフェースの肉厚設計を最適化

―前作<2021年発売モデル>と比べると?
「仕上げ加工の違いからか、フェースの色味が全体的に明るく見え、前作より面が強調して見えます。少し全体のフォルムも角張っており、シャープな印象。ターゲットに対して構えやすく感じられます。ネックからフェースにかかるトップブレード(フェース最上部の頭の部分)も、前作より若干低く見えるため、ネックが邪魔にならないというか主張しすぎず、フェース面に集中できます」

左が23年、右が21年発売モデル。(上から見たときの)ヒール側の高さの違いを指摘

―性能の差はあまり感じない?
「前作のほうが少し硬めなカチン!とした打音に聞こえ、今作はそこを抑えた分、打感のやわらかさにつながっている気がします。打感は異なりますが、ボールの飛び姿はほとんど一緒で、弾道には目に見えた影響はありません。あとは好みの問題で、フィーリングの好き嫌いで選んでいいのではないでしょうか。私は少し抑えめの打音が好きなので、ショットを放った直後の心地よさは、今作のほうが上に感じました」

弾き感の中にも心地よい打感を生む高強度「HT1770スチール鍛造フェース」

―兄弟モデル『ゼクシオ 13 アイアン』と比べると?
「特別に差別化を図った印象はないですが、性能差は明確に感じられました。同シリーズのドライバーのときの比較よりも、『―13』との違いは明らかだと思います。ドライバーでは、『―エックス』が『―13』に近づいたような寛容性が増した印象を受けましたが、アイアンでは変化がなく、そのままアスリート寄りの性格を維持している印象。やさしい『―13』との差は縮まってはおらず、ある程度は振り切れる人でないと難しいように感じます」

上が23年モデルの純正「ダイナミックゴールド95」、下が21年の「NSプロ 950GH neo」

―対象プレーヤーはダウンブロータイプ?
「そうですね。払い打つタイプは『―13』向きで、『―エックス』の対象はある程度ちゃんと上から打ち込める人かなー…。このヘッドで払い打ってしまうと、ボールは思うように上がってこないでしょう。HSも、ドライバーで最低40m/sは必要でしょうか。試打で使用した純正シャフト(ダイナミックゴールド 95)も、私が普段使用している軽量スチール(NSプロ Zelos 7)より重い設定で(硬さSで92g ※6Iの装着重量)、もう少し落としたもので試したいと思いました」

「『―13』よりは操作性はあるが決してアスリート向けモデルではない」と西川

―どのような人向き?
「基本的には対象ターゲットは広く、あまり使用者を選ばないモデルですが、『―13』と比べると、しっかりアイアンを打ち込める人になると思います。ただ、打ち込めると聞くとハードルが高そうに思えますが、決して難しいクラブではないので、気になる方はどんどん試してほしい。アイアンにものすごく苦手意識を持っていなければ、男女問わず購入しても問題ないでしょう。デザインを見ると『―エックス』は40代以下、『―13』は50代以上が対象と見受けられますが、今や60、70代でもブンブン振っていけるゴルファーは多いので、年齢分けはナンセンスかもしれません」

「―13」より若干ハードか… それでもオール4【総合評価4.0点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:28.5度(7I)
・使用シャフト:ダイナミックゴールド 95(硬さS200)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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