阪神大震災の伝承学び将来に生かす 大槌高生、兵庫県を訪問

阪神大震災の追悼行事などに参加する大槌高復興研究会のメンバーら。発生から29年たち、同世代がどう伝承活動に取り組んでいるのかを体感してくる=大槌町大槌

 6434人が亡くなった1995年の阪神大震災は17日で発生から29年となった。大槌高(継枝斉(つぐえだ・ひとし)校長、生徒172人)復興研究会の2年生5人はこの日、兵庫県を訪れ、追悼行事に参加したり伝承に取り組む高校生と交流したりする。「阪神大震災を体験していない同世代が、どう伝承しているのか」。記憶の風化にあらがう現地から学び古里の将来に生かす。

 「時間が経過して、追悼行事はどうしているんだろう」。12日、大槌町大槌の同校でメンバーが顔を合わせた。東日本大震災の発生当時は未就学児。記憶は鮮明だったり、曖昧だったり。沿岸被災地出身でも、あの日を知らない世代が増えることを案じている。

 5人は県立博物館(盛岡市)を中核に2022年度始まった「東北発博物館・文化財等防災力向上プロジェクト」事業の一環で現地を訪れる。全国15の博物館などが参画し、23年度から県内高校生とも力を合わせている。生徒が県外の被災地を訪れるのは初めて。18日まで現地に滞在して人と防災未来センター、野島断層保存館なども回るほか、各自で探究テーマを決めフィールドワークも行う。

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