離脱したはずの岸田氏が岸田派解散発言?

 立憲民主党の泉健太代表は19日の記者会見で岸田文雄総理(自民総裁)が岸田派(宏池会)を解散することに言及したことに「岸田さんは岸田派を離脱されたのではなかったっけ。離脱したはずの方がなぜ解散権を握っているのか。どんな立場で言われているのか。自民党総裁としてなら全部の派閥に言わなければならないし、どこかで大きな勘違いをしているか、離脱は表向きで、実質トップは岸田総理そのものであったことを示したといえるのではないか」と言動に矛盾があると提起した。

 岸田総理は昨年12月7日に「総理と総裁の間は中立的な立場で国民の信頼回復に努めたい」と宏池会を離脱した。しかし今も宏池会HPでは宏池会会長として岸田氏の挨拶がそのまま掲載されている。泉氏はこのことも指摘し「そこでも分かるのではないか。是非、HPをみてください」と確認を求めた。

 一方、岸田総理は19日、改めて自身が会長を務めてきた「政治の信頼回復のため宏池会を解散する」とした。「国民から派閥がカネやポストを求める場になっているのではないかと疑念の目が注がれている」などとして疑念を払拭し、政治への信頼回復のためである旨を強調。

 しかし、政治資金パーティーをめぐる裏金づくりに政治資金収支報告書への虚偽記載、不記載が常態化していたことや組閣のたびに派閥から閣僚ポストや党内主要ポストを求める動きがあったことは否定できないのでは。派閥解散で今回の問題をうやむやにすることはあってはならない。再発防止の実効性をあげるには不記載や虚偽記載があった場合、会計責任者と議員には連座制の適用とともに「政治資金収支報告書虚偽記載・不記載罪」を創設し、公民権停止5年以上の罰則を科すなどが必要だ。

 泉氏は「裏金に関与してきた議員は一掃すべき。野党の追及で一掃されるのではなく、自民党自身がけじめをつけるべき」と求めるとともに「自民党の党内処分が役職停止のようなものなら、何を言っているんだということになる」と実効性のない対応にならないよう釘を刺した。(編集担当:森高龍二)

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