2度のリードも追い付かれ…それでも劇的勝利のI神戸ジョルディ・フェロン監督「最後まで戦う気持ちを見せてくれた」

[写真:©超ワールドサッカー]

INAC神戸レオネッサのジョルディ・フェロン監督が、勝利へのメンタルを発揮した選手を称えた。

20日に行われた第45回皇后杯準決勝、ちふれASエルフェン埼玉戦を延長戦の末に制したI神戸。

39分に田中美南(I神戸)、52分に吉田莉胡(EL埼玉)、61分に守屋都弥(I神戸)、83分に祐村ひかる(EL埼玉)がゴールと、2度のリードを奪うも追い付かれる展開となり、迎えた延長戦、PK戦も見え始めた120分に北川ひかるのクロスがそのままゴールに吸い込まれ、劇的な形で勝利を収めた。

指揮官は試合後、リードを守り切れなかったことを課題に挙げながらも、「守備の固い埼玉さんから3点取れたこと」を評価。「最後まで戦う気持ちを見せてくれた」と選手を称えた。

「難しい試合、戦いにくい試合になるだろうとは予測していました。埼玉さんは非常に守備が固い、低い位置でブロックを作って守るというはわかっていたので」

「今週は、そういった相手にどう攻めていくのか、自由にボールをしっかり動かしながら、相手を揺さぶりつつ攻めていくというのを課題にして練習をしてきました」

「その中で、今日の戦いでは時間が経つにつれ少しナーバスになり、まっすぐ長いボールを入れて跳ね返される時間帯も確かにありましたが、結果的に守備の固い埼玉さんから3点取れたことは評価できると思います」

「ただ、2度はリードした時間帯があったにもかかわらず、その後うまく守りきれず、相手のカウンターを食らってしまったのは良くなかった。チームとしても課題に挙げています」

「そういった課題がある中でも、選手はメンタル面の強さをしっかり発揮できたと思います。リードして追い付かれても、もう一回頑張ってゲームを取りに行く。それでリードする。延長含めてですが、何度かそこで勝ちたいという気持ち、最後まで戦う気持ちを見せてくれたと思います」

I神戸はリーグ戦7試合を終え、無敗の首位。皇后杯を含めて公式戦は10戦負けなしで、「振り勝ってみると、練習試合も含めてですが、12試合ほど今のところ負けていません。ですので、チームとしては非常に好調な状態を維持できていると思います」と、指揮官も自信を覗かせる。

決勝へ向けても「今、体調のうまく整っていない選手、竹重(杏歌理)選手や山本(摩也)選手もいますので、彼女たちが復帰して試合に出られるかも確認したいと思いますし、相手の対策を考えながら準備していきたいと思います」と、意気込みを残した。

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