沖縄の世界自然遺産「すぐ手に届く所に暴発するかもしれない弾薬」 米軍廃棄物を調査する元「基地引取党」中村之菊さん、国会内で報告

 沖縄県の米軍北部訓練場返還跡地で大量の米軍廃棄物が見つかっている問題を考えるシンポジウムが17日、国会内であった。チョウ類研究者の宮城秋乃さんと共に、廃棄物を調査している元「基地引取党」共同代表の中村之菊(みどり)さんが登壇。「すぐ手に届く所に暴発するかもしれない弾薬などがある。この問題を世界に広めてほしい」と訴えた。

 中村さんは、宮城さん制作のビデオを上映しながら、集まった市民ら約40人に現状などを紹介。ビデオの中で宮城さんは返還地の一部が世界自然遺産に含まれているため、「今後一般の人が触れたり故意に持ち出したりして、爆発事故などに巻き込まれる可能性がある」と訴えた。中村さんも「遠い島で起きているという感覚ではなく、自分事として廃棄物問題を広めてほしい」と述べ、報道機関も丁寧に取り上げるべきだと提言した。

 屋良朝博衆院議員は、日米地位協定の不平等性に言及。「『沖縄ならいいだろう』という見放しが、日本と沖縄の関係性の中にある」と指摘した。(東京報道部・新垣卓也)

米軍北部訓練場の廃棄物について、現状を説明する中村之菊さん=17日、国会内

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