アストロズ・ウィットリー リリーフ転向でメジャー定着を目指す

2017年から7年連続で少なくともリーグ優勝決定シリーズまで進出し、2度のワールドシリーズ制覇を成し遂げるなど、球団史上最高の黄金期を謳歌しているアストロズ。その黄金期が始まる直前、2016年のドラフトでアストロズから1巡目(全体17位)指名を受けたのが大型右腕フォレスト・ウィットリーだった。かつてはエース候補として期待されたウィットリーだが、故障などの影響でメジャーデビューできないまま時間だけが経過し、昨年9月には26歳に。今季はリリーバーに転向し、メジャー定着を目指す立場に置かれている。

まだメジャーデビューしておらず、新人王の資格を有しているため、「元有望株」と呼ぶのは失礼かもしれないが、MLBパイプラインが公開している球団別プロスペクト・ランキングではトップ30圏外。2018年から2021年まで4年連続で同ランキングの1位だったことを考えると、やはり「元有望株」という表現は適切だろう。ウィットリー自身も「メジャー昇格することなくロースターの40人枠に登録された期間は最長かもしれないね」と自虐気味に語っている。

ウィットリーはプロ2年目の2017年にマイナーA級、A+級、AA級の3階級合計で23試合(うち18先発)に登板して92回1/3を投げ、5勝4敗、防御率2.83、143奪三振という好成績をマーク。将来のエース候補という評価を不動のものとした。ところが、2018年に薬物規定違反で50試合の出場停止処分を受け、2020年は新型コロナウイルスのパンデミックの影響でマイナーのシーズンが中止に。2021年3月にはトミー・ジョン手術を受けるなど、将来のエース候補として期待されたキャリアは大幅な「遠回り」を強いられることになった。

トミー・ジョン手術から復帰した2022年は初めてAAA級に到達したが打ち込まれ、昨季も8試合(うち6先発)で1勝2敗、防御率5.70と不本意な成績に。広背筋の故障もあり、満足のいくシーズンを送ることはできなかった。そして、アストロズはウィットリーをリリーバーに転向させることを決断。ジョシュ・ヘイダーが加入したものの、ヘクター・ネリス、フィル・メイトン、ライン・スタネックの退団とケンドール・グレイブマンの離脱でブルペンの層がかなり薄くなっており、ウィットリーにとってはメジャー初昇格の大きなチャンスとなる。かつてのエース候補はオープン戦で結果を残し、開幕メジャーの切符を手にすることができるだろうか。

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