世界遺産の城で名作オペラ 城壁に映像を投影 幻想的で観客を魅了 沖縄・中城城跡で初公演  

 世界遺産の中城城跡で13日から2日間、「沖縄オペラフェスティバル2024」(主催・北中城村観光協会)が初めて公演された。名作オペラ「ラ・ボエーム」に、世界的オペラ歌手のジョン・健・ヌッツォ氏らが出演。舞台はデジタル演出として、城壁にプロジェクションマッピングで映像が投影され、観客は幻想的な野外オペラに魅了された。

 オペラの最高傑作として名高いラ・ボエームは、19世紀のパリで貧しくも芸術家仲間と成功を目指す詩人ロドルフォと、治療が難しい病気を抱えて針仕事をするミミとの愛と別れを描いた物語。

 公演は両日とも午後6時に開演。会場となった標高160メートルの中城城跡は、伸びのある歌声と琉球交響楽団による美しいメロディーに包まれた。観客は両日で県内外から約900人(主催者発表)が訪れた。

 イベントを通じて中城、北中城村への観光誘客に期待する同協会の原口達樹事務局長は「他の市町村にない取り組みで両村を知ってもらう契機にしたい」と中城城跡の魅力をPRした。

 初めての試みに同協会の島田勝也会長は「世界遺産の価値を高め、皆さんに親しんでもらう取り組みを続けたい」と意気込んだ。(中部報道部・砂川孫優)

ステージ(右)を見下ろす城壁(奥)にはプロジェクションマッピングで映像が投影され、訪れた観客を楽しませた=13日、中城城跡

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