「何とか及第点」…自民・刷新本部中間報告 小泉、村井の同世代コンビが腐心

初会合終了後に報道陣に囲まれ取材に応じる小泉元環境相(中央)=1月11日、東京・永田町の自民党本部

 自民党安倍派(清和政策研究会)を中心としたパーティー券裏金事件を受け、対策立案を目的に発足した同党政治刷新本部は25日にも中間報告を正式決定する。メンバーの小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)が主張した「パーティー禁止」など3点が柱。小泉氏(42)と村井英樹官房副長官(43)の同世代コンビが腐心した落としどころだ。野党からは「非常に腰の引けた案」(立憲民主党の岡田克也幹事長)と批判を浴びるが、自民内には「何とか及第点にはこぎつけた」(幹部)との安堵(あんど)感も漂う。

 小泉氏は刷新本部初日の11日に「『派閥』の名称を使うのがはばかられるならやめればいい」とした上で「パーティーをやってお金を集めて配る。内閣や党に人事を要求する。そういうことに国民は嫌悪感を持つのだ」と主張した。当日の菅義偉前首相(神奈川2区)の「派閥やめろ」明言と相まって「脱派閥」が同本部の議論の中心となった。

 官邸は自派「宏池会」を率いてきた岸田文雄首相(党総裁)が示していた「派閥存続」意向を前提に論戦を想定していた。それだけに多くの幹部が戸惑う中、村井副長官は「パーティー禁止」「パーティー収入などの資金分配の禁止」「組閣や党人事における名簿などでの派閥からの要請禁止」の「小泉3点セット」(無派閥議員)を前向きな提案として受け止めた。

 刑事処分が確定し安倍派、岸田派、二階俊博元幹事長の「志帥会」が解散を決定。「派閥全廃」の流れとなったことに「志公会」を率いる麻生太郎副総裁が猛反発した。「3点セット」も「派閥の肝」(ベテラン議員)だけに「麻生氏らから賛意を得られるかの見通しも立たない状態」(官邸スタッフ)だった。

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