ゑしんの里観光公社3月末で解散へ 職員不足など背景 板倉区「振興会」が継承

上越市が基本財産の85%を拠出する一般社団法人で、板倉区の観光事業や「そば処いたくら亭」の運営を担う「ゑしんの里観光公社(公社)」が3月末で解散することが決まった。事業は同区のまちづくり団体でNPO法人の「板倉まちづくり振興会(振興会)」が全て引き継ぐ。

市が23日、市議会文教経済常任委員会の所管事務調査で報告した。同区には公社と振興会以外にも複数の観光・地域づくり団体があり、事業の重複や担い手の不足といった問題があり、効率的な再編が課題だった。事業を振興会にまとめることで、より持続的な運営が期待できるという。

両者は法人の形態が異なり法的に合併ができないことから、公社を解散し振興会が事業を引き継ぐ。財産はいったん市に帰属させ、市議会の議決を経て振興会に引き渡す方針。

木南和也氏(久比岐野)は「振興会と公社は存在理由が異なる。振興会は事業を引き受けても大丈夫か」と質問。同区総合事務所の古澤堅吾所長は「公社では現状維持ができるものの、振興会というより大きな組織で行った方が、より地域住民が参加できるようになる」と利点を述べた。

公社は旧板倉町時代の1989年設立。「ゑしんの里記念館」の指定管理者として施設を運営するほか、同区内の観光事業の事務局を手がける。振興会は市町村合併直前の2004年11月設立。保育園通園バスの運行をはじめとする市の委託業務などを行っている。

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