後半ATに逃した皇后杯制覇… 浦和Lの楠瀬直木監督「最後の最後に取られて勝利をこぼしたなという感じ」

惜しくも準優勝に終わった浦和Lの楠瀬直木監督[写真:©超ワールドサッカー]

三菱重工浦和レッズレディースの楠瀬直木監督が激闘を振り返った。

第45回皇后杯の準決勝でサンフレッチェ広島レジーナをPK戦の末下し、前々回大会以来となる決勝進出を果たした浦和。27日にはタイトルをかけ、INAC神戸レオネッサと対戦した。

準決勝で負傷したMF安藤梢とMF猶本光の主軸2人がメンバー外となった中、19分にMF清家貴子のクロスがオウンゴールを誘発し先制。1点リードのまま後半アディショナルタイムを迎えるも、土壇場でPKから追いつかれ、試合は延長戦にもつれ込んだ。

その後、スコアは動かないまま120分が経過しPK戦に突入。7人目まで続くも伊藤美紀のキックがポストに嫌われ、惜しくも準優勝となった。

楠瀬監督は90分で試合を決めきれなかったことについて「最後の最後に取られて勝利をこぼしたなという感じもありますが、そこがうちの弱点と言ったらおかしいですが、少し弱いところが出たかなと。そしてINACさんのしぶといところが出たなという感じです」とコメント。「試合結果はそのまま、INACさんが優勝に相応しかったかなと思います」とI神戸の強さを称えた。

一方で、「反省して次に向かいたい」とも語った楠瀬監督は、自らの選手たちへの労いも忘れず。「本当によくやってくれたと思います。この銀メダルを大事にしていこうと思っています。延長にしてしまったことも悔しいことでもありますが、切り替えて、少し休んでリーグに向けて頑張りたいと思います」とWEリーグ連覇へ前を向いた。

また、痛手となった安藤と猶本の欠場にも言及。総合力でカバーしようと試みた中、良かった点と改善すべき点が出たと述べている。

「たしかに安藤梢、猶本光がここ数試合素晴らしい働きをしてくれていたので、攻守においてのスイッチを入れていた2人でした。そこはみんなわかっているところで、その分を埋められないけど、できるだけ埋めていこうと選手自ら動いてくれていました」

「今日出ている選手の中でも、この前の試合で疲労が残っていたりしたことも総合力の1つです。しっかりハメて試合をやってくれた前半は良い流れでもありました」

「INACさんの5バックを崩せていないというところは、次リーグで戦う時にさらに強くなっていると思うので、それを上回ることをしなければなりません。大きな課題でもあるなと思います。選手たちはよくやってくれたと思います」

最後に、あと一歩優勝に届かなかった点については、頑張りながらも銀メダルに終わったという事実を大事にしつつ、シーズン後半戦を戦っていくと誓った。

「負けた試合というのは覚えています。悔しいので。金メダルを家に並べたところで過去のことになってしまうので」

「結果は負けですがPKで止められてしまったというところの結果なので。内容は頑張っていましたし、その中でも防げたところとか、足りないところはありました」

「勝つと忘れてしまいますが、後半戦に向けてクリアにして乗り越えていかなければいけないところです。勝ってそれを忘れてしまったら何も得られなくなってしまうので、そこを思い出しながらというところです。選手も頑張ってくれたので、そこも含めて大事にしたいと思いました」

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