江戸城築いた武将・太田道灌を題材にミュージカル 川崎での「伝説」描く

太田道灌がかつて築城を考えたという言い伝えがある加瀬山=川崎市幸区

 江戸城を築いたことで知られる武将・太田道灌を題材にした公演に向け、市民劇団が計画を進めている。地元に根付く歴史や文化を軸にし、ミュージカルで表現していく。

 主導するのは昨年2月に旗揚げした市民劇団「かわさきドリームミュージカル」。実行委員長の嶋田正邦さん(52)=川崎市幸区=が、子どもたちに文化活動の機会を提供しようと、仲間と手を取り、劇団の設立にこぎ着けた。

 「太田どうかんと夢の城」と銘打った劇は、道灌がかつて夢見ケ崎動物公園などがある同区の「加瀬山」(標高約35メートル)に築城を考えたという言い伝えが柱。道灌はしかし夢の中にワシが現れ、兜(かぶと)をつかんで飛び去ったことから不吉と感じ築城を断念したという伝説が残る。これが「夢見ケ崎」の名が生まれたゆえんだという。

 脚本では、その道灌が加瀬山を舞台に地域の人々と交流する姿を描くオリジナル作品となる。

 立ち上げから間もないため、今年3月には市立幸高校演劇部の力を借りて、ミュージカルの発表会を開く。同部員ら12人で演じ、そこで劇団の方向性や内容を知ってもらい、4月以降に劇団員の募集を始めるという。来年3月の公演を目指す。

 嶋田さんは今月17日に川崎市役所で会見を開き、「笑顔の花が咲くようなミュージカルにしたい」と抱負を語った。

 発表会の日程などは幸市民館日吉分館電話044(587)1491。

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