不発弾を「耐爆容器」で全国初の処理  沖縄総合事務局 避難範囲の縮小へ

トラックの荷台に置かれた5インチ艦砲弾専用の耐爆容器=28日、宜野湾海浜公園

 【宜野湾】宜野湾海浜公園内で28日、駐車場の整備工事中に見つかった米国製5インチ艦砲弾の不発弾処理があった。全国で初めて5インチ艦砲弾専用の「耐爆容器」が試験運用された。現場に処理壕を築く従来の処理方法に比べ、騒音、振動とも抑えられたという。沖縄総合事務局は今年4月から、5インチ艦砲弾が多く見つかる本島内を中心に耐爆容器を本格運用する計画。避難半径は従来の3分の1、避難面積は9分の1に縮小できるようになる。

 耐爆容器は、信管を外す前に誤爆が起きても1回耐えられる構造で、神戸製鋼所(東京都)が県内自治体の要望を受けて開発。約3トンのトラックで輸送できる程度までコンパクトにするのが課題で、研究に約10年かかったという。

 宜野湾海浜公園では不発弾をクレーンでつり上げ、トラックの荷台に置いた耐爆容器まで移動させた。その後、ディアマと呼ばれる機材で信管を破壊する作業を遠隔で実施した。沖縄総合事務局は本格運用に向けて騒音や振動、安全性を検証する方針。(中部報道部・平島夏実)

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