「全ての人に平等な観光を提供」へ やんばるのガイド、車いす利用者への対応学ぶ 沖縄・国頭村

 【国頭】障がい者や高齢者でも世界自然遺産のやんばるの森を楽しめるよう環境づくりに取り組む「やんばるZEVプロジェクト実行委員会」のメンバーが16日、バリアフリーに配慮された電気自動車(EV)を使って車いす利用者を車両に誘導し、乗せるまでの流れを学ぶ体験会を国頭村奥間の道の駅ゆいゆい国頭で開いた。

 実行委員会には地元のネイチャーガイドや宿泊施設、観光協会などが参加。昨年12月には障がい者や高齢者を観光ツアーで受け入れる際の留意点などを座学で学んできた。

 今回の体験会では、トヨタ自動車が東京五輪・パラリンピックに向けて、体の不自由な人でも使いやすいように開発したEV車「APM」を使用。メンバーが車いすを車両に固定したり、弱視のある方の手を引いて「12時の方向にスロープがあります。気を付けて」など声かけをしたりしながら対応方法を学んだ。

 指導したNPO法人バリアフリーネットワーク会議の親川修代表は、障がいの重さによって車いすのサイズが変わることなどを伝えた上で「今後全ての人に平等な観光を提供できる体制が大事になってくる」と語りかけた。

 東村でネイチャーガイドをする妹尾(せのお)望さん(46)は実際に乗車補助を体験し「いろいろな方々にやんばるの自然を見てほしいので、これをきっかけに勉強して対応できるようにしたい」と意気込んだ。(北部報道部・松田駿太)

© 株式会社沖縄タイムス社