旅客機の非常ドア開け翼の上歩く 乗客逮捕、他の客らは擁護の声明

メキシコの空港で、旅客機の非常ドアを開けて翼の上を歩いた男性乗客が逮捕された。背景には出発遅れがあったとされ、同じ便に乗っていた乗客らは、この男性を擁護する声明を発表した。

事故報告書などによると、首都メキシコ市のメキシコ国際空港で25日朝、アエロメヒコ航空のグアテマラ市(グアテマラの首都)行きの旅客機が出発を待っていた。しかし、予定時刻から約3時間が過ぎた午前11時半ごろになっても、滑走路上で待機を続けていた。

その間、機内は空調がきいておらず、乗客に水が提供されることもなかったという。

そうした状況で、乗客の男性が今回の行動に出た。これにより、同便は機材を変更する必要が生じたとされる。

空港によると、被害はなかったが、男性は警察に引き渡された。

「私たちの命を救った」

これを受け、同じ便の機内で強い怒りを覚えていた他の乗客たちは、各自の名前と署名を入れた手書きの共同声明をソーシャルメディアで発表。

「機内にいた乗客が非常用の窓を開けたのは、全員を守るためで、全員の支持を得てのことだったと、CDMX(メキシコ市)発グアテマラ行きのAM0672(便)の全乗客が表明する。遅延と空気の不足が、乗客の健康にとって危険な状況をつくり出していた」とした。

さらに、「彼は私たちの命を救った」と主張した。

事故報告書によると、同便の出発が遅れたのはメンテナンスの問題が原因だった。

男性が拘束されたままなのかや、どのような罪に問われる可能性があるのかは、明らかではない。

(英語記事 Passenger opens plane door and walks on wing

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