学校給食や高齢者向け配食サービス 久米島町が「食の拠点」2026年稼働 難題を解決した町長「正直ほっとしている」

 沖縄県久米島町(桃原秀雄町長)は26日、町役場で記者会見し、町立幼小中学校給食や高齢者らの配食サービスを行う「食の拠点施設」を整備し、フードサービス業のハーベストネクスト(横浜市、脇本実社長)に運営業務を委託すると発表した。同町仲泊に建設。2026年8月の利用開始を予定している。

 同町儀間にある学校給食センターは1976年開設で、老朽化している。町は建て替えや民間事業者の活用を検討したが、小中学校約850人の給食提供だけでは「採算が合わない」と手を挙げる事業者がいなかった。

 そこで、学校給食だけでなく高齢者や障がい者向けの配食・調理サービスも担う「食の拠点施設」の建設を決めた。鉄筋コンクリート造2階建てで、延べ床面積1455平方メートル。建設費22億円を同社に支出し、同社が整備する。7月に着工を予定。

 1日千食程度を提供する。ハーベスト社が20年間運営を担う契約で、町は計40億円を同社に支出する。町と同社でほぼ毎月、調整委員会を開き請け負い業務の状況を点検する計画だ。

 会見で桃原町長は「4年前から給食センターの移転を考えており正直ほっとしている。農家にも貢献できるよう地産地消に力を入れたい」、脇本社長は「おいしいと喜んでもらえる食事を提供したい」と述べた。(真栄平京子通信員)

「食の拠点施設」の完成予想図を手にする久米島町の桃原秀雄町長(右)と町と業務委託契約を結んだハーベストネクスト社の脇本実社長=26日、同町役場

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