セサミストリートのエルモ、「みんなが大好き」 SNS上であふれる不安の声に反応

ヌール・ナンジ、文化担当記者

「みんな元気?」。この呼びかけに、あまりいい返事は返ってこなかったようだ。

アメリカの子供向け番組「セサミストリート」のエルモが1月29日、無邪気に「みんな元気?」と

した。

すると、何千人ものユーザーが、自分がいかに悲しいか、絶望しているか、切々とエルモに訴えた。

それに対してエルモは「EmotionalWellBeing」(感情的ウェルビーイング=人が健康で幸せな、良好な状態にあること)というハッシュタグを付けて、「聞いてみてよかった」と応じた。

ジョー・バイデン米大統領は、「みんなの友人、エルモは正しい。私たちは互いに支え合わないと」と投稿した。

「苦しい」、「悲しい」という声集まる

「エルモ、自分は生きている意味がわからず苦しんでいるよ」と、あるユーザーは書いた。

「朝になるといつも、すぐにでも眠りに戻りたくなる。毎週月曜日になると、金曜日が待ち遠しい。毎日、毎週、ずっとそう思ってる」と別のユーザーは書いた。

ユーチューバーのスティーヴン・マキナニー氏は、「エルモ、僕たちの周りで、世界は炎上しているんだよ」と述べた。

女優のレイチェル・ゼグラー氏が「エルモに、ちょっと悲しいって伝えたい衝動に駆られている」と述べるなど、複数のセレブもこの流れに加わた。

こうした反応が集まったのは、エルモが質問したタイミングのせいかもしれない。

1月の月曜の朝だった。しかも、多くの人が、今の状況が永遠に続くような気がしている月末に、このような質問を投げかければ、決して良い結果にはならないだろう。

それでも、この赤い毛むくじゃらのマペットは、みんなから悩みをぶつけられても動じなかった。

1月30日夜、エルモはソーシャルメディアにこう

した。「わあ! エルモ、質問してよかった! エルモは、友達に元気かどうか尋ねるのが、大事だって学んだんだ。エルモ、またすぐに友達のみんなの様子を見に来るね! エルモはみんなのことが大好きだよ」。この投稿にも、ハッシュタグ「EmotionalWellBeing」が付いていた。

セサミストリートの仲間も

セサミストリートのほかのキャラクターたちも、友達を支えたいと表明した。

クッキーモンスターは、「僕はここにいるから、いつでも好きな時に話してね。クッキーもあげるよ」と

アーニーの親友バートは、「悩みを聞いてくれる人が必要なら、僕がここにいるよ。あたたかい紅茶を入れてあげるね」と

も、メンタルヘルス(心の健康)のリソースへのリンクを共有した。

人々の心の健康をサポートしたいというエルモの取り組みを、バイデン大統領は称賛した。

「もやもやを吹き飛ばして晴れやかな日々を手に入れることがどれほど難しいか、私は知っている」

「私たちは互いに支え合い、困っている隣人に手を差し伸べるべきだ。そして何よりも、自分が助けを必要とする時は、助けを求めるべきだ」

「困難なことであっても、あなたは決して1人ではない」

(英語記事 Elmo responds to outpouring of angst on social media

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