尾道ラーメン 一丁 〜 福山駅前の老舗ラーメン専門店。自慢の熱々スープの虜に!地元民から観光・ビジネス客まで幅広く愛される店

尾道ラーメンを知っていますか?

名前のとおり尾道市が発祥といわれる御当地ラーメンです。

でも実は尾道ラーメンは尾道だけでなく、隣の福山市や府中市でも根付いていて、備後地方の御当地ラーメンともいえる存在。

そんな尾道ラーメンが食べられる店は、JR福山駅周辺にもたくさんあります。

そのなかでも熱狂的なファンが多いといわれるのが、三之丸町にある「尾道ラーメン 一丁 (いっちょう)」。

一丁は2020年(令和2年)で、創業23年。
地元のリピーターだけでなく、市外から来た観光客・ビジネス客も多く訪れます。

ランチタイムには行列ができ、夜でも多くのお客さんでにぎわっている人気店です。

そんな福山駅前で人気の尾道ラーメン専門店・一丁の魅力に迫ります!

一丁は福山駅前にある人気の尾道ラーメン専門店

一丁は、JR福山駅前にある尾道ラーメンの専門店です。

ランチタイムには行列ができるほどで、夜も多くのお客さんでにぎわっています。

一丁があるのは、福山駅の南西、バスロータリーの西側にあたる三之丸町(さんのまるちょう)。
飲食店が多いエリアの一角にあります。

一丁は、白色と木目調のスタイリッシュな外観が特徴。

店内も白と木目で統一されており、きれいな印象です。

店内はカウンター席のみ。

全部で22席です。

人気・おすすめメニュー

2024年(令和6年)1月時点の情報。価格は消費税込

一丁は尾道ラーメン専門店なので、メインとなるラーメンは尾道ラーメンと、その派生であるチャーシューメンの2つのみ。
それぞれ、並と大盛があります。

とても潔く、わかりやすくていいと思いました。

ほかに、鶏のから揚げライスなどのサイドメニューがあります。
日替定食もありました。

一丁は、事前に券売機で食券を購入するシステムです。

券売機は、入口を入ってすぐ左手にあります。

ここからは、お店おすすめのメニューを紹介していきましょう。

「チャーハン」は、2022年(令和4年)にメニューから外れました

一丁の「ラーメン」は熱々のスープがポイント!

ラーメン」は、尾道ラーメン専門店である一丁の看板メニューです。

もちろん一番人気!

ラーメンのラインナップは、以下のとおり。

取材時は、並盛(780円)を注文しました。

醤油スープにブタの背脂が浮き、チャーシューにネギにメンマというシンプルな具材。

これぞ尾道ラーメンといえる見た目です。

運ばれてくると、立ち上る湯気とともに醤油スープのよい香りが漂ってきて、お腹が鳴ります。

この熱々スープがいいんです!

スープはやや透明感のある、濃い焦茶色です。
見た目からは味が濃そうな印象をもつかもしれません。

でも飲んでみると、これがそんなに濃い味ではなく、意外とスッキリとした味わいなのです。

ブタの背脂もたくさんスープに浮いています。

尾道ラーメンといえば背脂です!

背脂は細かいものから、大粒のものまでありました。

熱々のスープは、甘みがある甘辛味と醤油の風味が口の中に広がります。
そしてダシの味わいや、適度な脂感が感じられました。

さらにブタの背脂は口の中で自然ととろけるような舌触りで、スープの味わいに背脂のコクや甘み・脂感などが追い打ちをかけます。

何度も散蓮華(ちりれんげ)でスープをすくって飲み進めてしまうほど、おいしいと思いました。

麺は、細めのストレート麺です。

ほどよい弾力のあるような歯ごたえで、麺にスープがよく絡んでおいしいです。

チャーシューは、赤身と脂身がいいバランス。

赤身のうまみ・脂身の甘みが、しっかりと味わえるチャーシューです。

尾道ラーメンには、から揚げセット日替定食などもあります。

「から揚げ」はサクサクの衣がやみつきに

から揚げ(単品)

サイドメニューでは、「から揚げ鶏のから揚げ)」が人気です。

写真ではわかりにくいですが、千切りキャベツはけっこうタップリ盛りつけられています。

から揚げは、単品(5個)で700円。
さらにラーメンにから揚げ3個、小ライスが付いた「から揚げセット」(1,100円)もあります。

から揚げセットの小ライスと鶏のから揚げ

から揚げは、一切れがけっこう大きめ。

サクサクの小気味よい食感の衣がおいしいです。

中の鶏肉はジューシー。

下味は薄めな印象でした。
そのため、鶏肉のうまみがよく味わえます。

から揚げセットは、ラーメンだけでなくライスも付いているので、お腹いっぱいになりました。

福山駅前で人気の尾道ラーメンを提供する一丁。
地元の熱烈なリピーターのほか、観光や仕事で福山に来たかたも虜(とりこ)にしているそう。

そんな尾道ラーメン 一丁を運営する株式会社 一丁の代表取締役・黒岩 光輝(くろいわ みつてる)さんにインタビューをしました。

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一丁の店主・黒岩光輝さんにインタビュー

尾道ラーメン 一丁を運営する株式会社 一丁の代表取締役・黒岩 光輝さん

福山駅前で人気の尾道ラーメンを提供する尾道ラーメン 一丁。

地元の熱烈なリピーターのほか、観光や仕事で福山に来たかたも虜(とりこ)にしているそう。

そんな尾道ラーメン 一丁を運営する株式会社 一丁の代表取締役・黒岩 光輝(くろいわ みつてる)さんにインタビュー。

開業の経緯や店名の由来、店のこだわり、今後の展望などについて話を聞きました。

インタビューは2020年10月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

大衆中華料理の世界を経て、ラーメン店として独立

──開業の経緯を教えてほしい。

黒岩 (敬称略)──
もともと私は飲食店で長く働いてきました。

──開業の経緯を教えてほしい。

黒岩(敬称略)──

もともと私は、飲食店で長く働いてきました。

料理に興味をもち、最初はホテルに就職しました。
やってみたかったのはラーメンではなく、西洋料理。

でも、料理以外の職種の担当が長く、なかなか料理に関わる職種をさせてもらえなかったのです。

それで転職を決意し、自宅から近く、さらにすぐに料理の仕事をさせてもらえる仕事を見つけました。

それは大衆中華料理の店です。
もともと西洋料理を目標としていましたが、料理をすぐにできる仕事を優先しました。

その後、大衆中華料理を中心にいろいろな店を経験し、商業施設内にある中華惣菜の店で働くようになったんです。

しかし、その店が閉店することになりました。
その店の系列の店もあったんですが、自分で店をしてみたいなという気持ちもあったのです。

料理の世界に入って働いているうち、いつしか自分の店を持ちたいという目標をもつようになりました。

店の閉店時、今がそのときかなと考えたんです。

店をするなら今までの経験を生かして大衆中華がいいですよね。
でも大衆中華料理店は、メニューが多いから一人でやるのは大変。

だったら、大衆中華のなかでも人気のあるラーメンをメインにした店をしようと。
福山は尾道ラーメンが根付いているので、ラーメンをやるなら尾道ラーメンの店だなと決めました。

あと、自分の生活も理由です。

店を出すときは自分は36歳。
家族の生活ができるような業態を考えると、ラーメン屋がベストだなというのもありました。

そうして一丁を開業したのが、1997年(平成9年)12月です。

場所は今はなき「繊維ビル」の一角。
(2020年)現在「アイネス フクヤマ」がある場所ですね。

──なぜ繊維ビルに出店した?

黒岩──

不動産屋からは、いろいろ物件を紹介されていました。

繊維ビルは古い建物で、正直「こんな場所で商売しても儲からないのでは?」と思っていました。

でも試しに繊維ビルを訪れてみたら、繊維ビルの中に入っている店にすごくお客さんが入っていたんですよ。

まわりにはあまり行列のできる店はなかったのに、繊維ビルの中の店は行列ができて繁盛している店がいくつもあったんです。

それで、ここはいい場所だと気づいて出店を決めました。

──当時から、同じ店名?

黒岩──

そうですね。同じ店名です。

正式には、屋号は「一丁」。
尾道ラーメンと付けているのは、わかりやすくするためです。

一丁の由来は、テレビドラマなんですよ(笑)。

岸谷五朗さんや江角マキコさんが出ていた『月の輝く夜だから』というドラマです。
ちょうど、店を始める年の夏くらいにやっていたドラマですね。

ドラマの舞台となっているのが、「一兆」というラーメン店でした。

ラーメン店がドラマの舞台になっているのはめずらしいですし、ちょうど開店を考えている時期でしたので「これだ!」と思いついたんですよ。

ただ字画を調べてみると、同じ「いっちょう」でも「一丁」のほうが字画がよかったんです。

一丁は老若男女にわかりやすいし、ラーメン店らしい名前だと思うので「一丁」に決定しました。

開業後の試行錯誤と入居ビル建て替えによる移転

──ラーメンはどうやって学んだのか?

黒岩──
長く大衆中華料理の世界にいましたので、スタンダードなラーメンづくりはできました。

──ラーメンはどうやって学んだのか?

黒岩──

長く大衆中華料理の世界にいましたので、スタンダードなラーメンづくりはできました。

以前に働いていた店では、ラーメンも扱っていたので。

尾道ラーメンは未経験でしたが、飲食店で仕事をしているとラーメンに関する情報も入ってきたりするので、それをヒントにもしましたね。

あとは実際に食べてみて、それを参考にして研究しました。

尾道市内に、私とほぼ同世代でほぼ同時期にラーメン店を始めたかたがいます。
その店の店主とよくいっしょにラーメン研究したのは、懐かしい思い出です。

切磋琢磨したその店主とは、今も懇意にさせてもらっています。

──開店して、手応えを感じたのはいつごろ?

黒岩──

開店して3年目くらいではなかったでしょうか。

もう、最初の一年は手探りでしたね。
何度やってもスープの味が安定しない。

毎日、いろいろと試行錯誤を重ねました。
あるとき、もう疲れて考えるのをやめたんです。

すると不思議なことに味が安定してきだしたんですよ。
おそらく開店すぐということもあり、私は考えすぎていたんでしょうね(笑)。

──その後、繊維ビルの建て替えで移転したと聞いた。

黒岩──
そうですね。繊維ビルで営業していたのは2008年(平成20年)2月までです。

──その後、繊維ビルの建て替えで移転した。

黒岩──

そうですね。繊維ビルで営業していたのは2008年(平成20年)2月までです。

繊維ビル建て替えに伴い、移転先をいくつか提示されました。

移転して売上が下がるのでは意味がないですから、私は駅前にこだわったんです。

駅前の候補地をいくつか見て歩きました。
でも、なかなか決まらなかったんですが、消去法で決めたのが現在の場所。

それで2008年3月から、今の店舗で再スタートしたんです。

最初はこの場所で大丈夫か不安でしたが、おかげさまで2020年の新型コロナウイルス感染症禍までは、順調に売上を伸ばしていけました。

熱い食べ物はより熱くしたほうがおいしい! 一丁のラーメンのこだわり

──一丁のラーメンのこだわりは?

黒岩──
いろいろこだわりはありますが、一番はスープの温度。
当店のラーメンのスープは、熱めなのがポイントです。

──一丁のラーメンのこだわりは?

黒岩──

いろいろこだわりはありますが、一番はスープの温度
当店のラーメンのスープは、熱めなのがポイントです。

やっぱり熱いものは、より熱くしたほうがおいしいと思います!

ラーメンのスープは、タレをラーメンの元になるスープで割るスタイルと、割らないストレートスタイルがあるんです。

割るスタイルの場合、ラーメンの元のスープが熱々でも、タレが熱くなかったら温度は下がってしまいますよね。

だからといってタレを温めたら、味が変わってしまってうまくできません。

当店はタレをスープで割らないストレートのスタイルにしています。
ですが、それを冷めないように温めていると煮つまってしまって味が悪くなり、使えません。

なので煮つまったりして味が変わらないよう、火加減を調整することで熱々のスープを実現しています。

なかなか、この調整が大変です。

──ほかにこだわったり、力を入れていることは?

黒岩──

従業員の労働条件改善に、力を入れました。

私も経験しましたが、飲食店で働くのは労働条件や環境が過酷なことが多く、大変です。

ですから、少しでも従業員に仕事をしやすくしたいと思うようになりました。

一丁では、週休2日が基本です。

勤務時間も長時間にならないよう、交代をしたりして調整しています。

やはり環境が整うと、生き生きと働けますね。

適度な欲をもちつつ、人生を豊かにするために売上を伸ばす

──さいごに今後の豊富や展望、今後やってみたいことがあれば教えてほしい。

黒岩──
やっぱり、売上は伸ばしていきたいです。

──今後の豊富や展望、今後やってみたいことがあれば教えてほしい。

黒岩──

やっぱり、売上は伸ばしていきたいです。

というのも、やっぱりお金に余裕がないと心に余裕ができません
心に余裕がないと、人にやさしくできないと思うんです。

ただ売上を伸ばすといっても、欲を出し過ぎたらダメ。
かといって欲がないと、前向きになれません。

適度な欲をもっていきたいと思います。

だから、より効率的に売上を伸ばしていくために、多店舗化は考えていません。
今の1店舗の運営に集中し、よりよい店づくりを目指すのが目標です。

そして、働いてくれている従業員のみんなの生活を充実させてあげたいと思います。

福山駅前で一丁自慢の尾道ラーメンを

福山駅前で人気の尾道ラーメン店・一丁。

実は、私も取材前からときどき食べに行っている店です。

福山駅から近く、駅を利用するなら一丁は行きやすいのも魅力です。

地元のかたはもちろん、遠方から来て尾道ラーメンを食べてみたいというかたにも、ぜひ一丁を訪れてほしいと思います。

そして、黒岩さんの熱い思いがこもった、熱々スープの尾道ラーメンを堪能してみてください。

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