「睡眠時無呼吸症候群」岩手医大で新治療法 県内初導入

 

 岩手医大付属病院と同大付属内丸メディカルセンターは「睡眠時無呼吸症候群」のうち、舌が喉をふさいでしまう閉塞(へいそく)型(OSA)の新たな治療法「舌下神経電気刺激療法(HNS)」を導入する。鎖骨付近の小型装置から電気で刺激し、舌を動かして気道を確保する仕組み。導入は県内初で、月内に1例目の手術を予定する。

 治療に使う小型装置は、ペースメーカーのように右側の鎖骨下に手術で埋め込む。装置から細いリード線を顎まで通し、舌下神経を微弱な電気で刺激する。就寝前にリモコンでスイッチを入れると、睡眠中の呼吸に合わせて作動し、舌の付け根が落下して気道がふさがるのを防ぐ。

 従来の代表的な治療法には、鼻に付けたマスクから機械で空気を送り込むシーパップ(CPAP)があるが、使用時の違和感や装着の手間で断念し、放置してしまう人が多いという。HNSは、CPAPの継続が難しい患者が対象となる。

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