中国・浙江省紹興市で大型遺跡群発見 越国の都邑と関係か 

中国・浙江省紹興市で大型遺跡群発見 越国の都邑と関係か 

亭山遺跡で見つかった大型建築基礎。(資料写真、杭州=新華社配信)

 【新華社杭州2月4日】中国の考古学チームが4年間の継続的調査により、浙江省紹興市で春秋戦国時代の大規模な遺跡群を発見した。大型建築の基礎、ふ頭、青銅剣、青銅戈(か)、青銅鼎(てい)、青銅盤(ばん)、大量の土器と原始磁器(灰釉陶器)の残片などが出土し、建築物の等級が高いことから越国の中心地区に属すると考えられる。同国の都邑(とゆう、首都)と関係する可能性もある。

  遺跡群は同市越城、柯橋両区にまたがり、会稽山支脈の亭山を中心に範囲は約7平方キロに及ぶ。浙江省文物考古研究所が2020~23年に紹興市文物考古研究所、越城区文物保護所と合同で調査、試掘、発掘し、亭山や南山、南山頭など大型集落遺跡10カ所を発見した。

中国・浙江省紹興市で大型遺跡群発見 越国の都邑と関係か 

亭山遺跡北エリアで見つかったふ頭跡。(資料写真、杭州=新華社配信)

  亭山遺跡群発掘プロジェクトの責任者を務める省文物考古研究所の徐新民(じょ・しんみん)研究員によると、亭山は標高125メートルで、山頂に残る人工堆築層の厚さは約180センチ。北エリアでは、木の杭が東西方向に3列に並んだふ頭跡のほか、器物や木炭、食物などが残留する祭祀(さいし)坑が見つかった。

  南エリアでは人工的に造成された台地の上で大型建築の基礎を発見。これまでに露出した東西56メートル、南北10.5メートルの範囲から見て、等級の高い公共的な礼制建築と思われる。

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亭山遺跡で出土した漆絵の施された木製柱礎。(資料写真、杭州=新華社配信)

 南山頭遺跡では灰坑や灰溝、井戸、大量の柱穴、木の杭、横木など建築遺構、遺物が出土。中でも長さ48センチ、幅36センチの大きな平瓦は当時の建物が巨大であったことを示している。

 南山遺跡では、東エリアだけでも人口造成の黄土台地が3カ所見つかり、南、中、北の各機能エリアとされた。土台は幾つかの区画に分かれ、土器や原始磁器、金属器、竹木器、動物植物遺存体が出土した。青銅器には鼎や盤、舟、剣、矛、戈などがあった。動物遺存体の多くは牛、豚、鹿、淡水魚の骨で、越国で希少だった馬や外洋で獲れるマグロの骨も含まれ、植物遺存体はイネやアワの穀物で、野菜や果物も多かった。

中国・浙江省紹興市で大型遺跡群発見 越国の都邑と関係か 

南山頭遺跡出土の平瓦。(資料写真、杭州=新華社配信)

 徐氏は、亭山と南山頭、南山の3遺跡が越国中心地区の機能エリアに属しており、同国最盛期の中心地区の重要な構成部分をなし、都邑と関係する可能性もあると指摘。遺跡群の考古学成果は非常に多く、東周時代(春秋戦国時代)の越国中心地区における大規模集落の形態を示したほか、山を背に海に面し、河川が縦横に流れる土地を拠点とした越国の建国前後の社会組織構造、生業、経済、交通、貿易など社会・生活の状況を多面的に明らかにしたと語った。(記者/馮源)

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南山遺跡から出土した「鉞」字青銅戈の残片。(資料写真、杭州=新華社配信)

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南山遺跡出土の青銅剣。(資料写真、杭州=新華社配信)

中国・浙江省紹興市で大型遺跡群発見 越国の都邑と関係か 

南山遺跡出土の青銅装飾品。(資料写真、杭州=新華社配信)

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