【ドジャースの軌跡】ドジャースの黄金期に君臨した2人の大エース

1955年にブルックリンで初の世界一に輝いたドジャースは、3年後のロサンゼルス移転を機に黄金期を迎えた。移転後の10年間で世界一に輝くこと3回、そこには球団史上最強の2大エースの存在が欠かせなかった。

ドジャースが初めてワールドシリーズ(WS)を制した1955年、のちに殿堂入りを果たす大投手サンディ・コーファックスがメジャーデビューを果たした。ルーキーシーズンには12試合に登板し、うち先発5試合で2完封を含む4完投、2勝(2敗)を挙げたが、WSでの登板の機会はなかった。

その後、1958年にチームはブルックリンからロサンゼルスに移転し、3年後の1961年にコーファックスはその才能を大きく開花させる。シーズンでは18勝を挙げ、269個の三振を奪って最多奪三振のタイトルを獲得。翌1962年には自身2度目のノーヒッターを達成するなど快投を見せ、その年から歴代1位となる5年連続で最優秀防御率に輝いた。

その後もチームのエースとして、歴代1位タイの投手三冠を3度達成。サイ・ヤング賞3回、シーズンMVP1回、ワールドチャンピオンには3度導き、シリーズMVPも2度受賞するなど、ドジャースの黄金期を支えた。

コーファックスと時を同じくして、のちに殿堂入りを果たすもう1人の大投手がいた。1956年にメジャーデビューした右腕、ドン・ドライスデールだ。1957年から12年連続2ケタ勝利をマークし、コーファックスとともに黄金期を支えたが、その間にサイ・ヤング賞1回、最多勝1回、最多奪三振3回などコーファックスとタイトルを分け合った。

かつて、左右2人のエースがドジャースの黄金期を築いたが、現在もドジャースは11年連続ポストシーズン進出を果たすなど、黄金期を迎えている。その中心となってチームを支えているのが現役最強左腕のクレイトン・カーショウだ。コーファックスと比較されることが多いカーショウだが、昨年11月に左肩の手術を受け、FAとなった現在は未契約の状態となっている。カーショウは夏頃には復帰が見込まれており、ドジャースと再契約を交わす可能性も大いにある。

今季からは、NPBで3年連続投手三冠を達成した山本由伸と、リーグトップクラスの実力を誇るグラスノーに加え、稀代の二刀流、大谷翔平も加わった。他にもビューラーやミラーなど、ドジャースには高いポテンシャルを秘めた投手が多く揃っている。「歴代最強の2枚看板」との呼声も高いコーファックスとドライスデールはドジャースに黄金期をもたらしたが、今シーズンの布陣はそれを超える「最強の投手王国」を築くポテンシャルを秘めている。偉大な投手の系譜を継ぐであろう今季のドジャース投手陣は、どんなシーズンを送るのだろうか。開幕が待ちきれない。

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