スプーンで入所者の顔にけが、虐待認定 「いら立って威嚇」厚木の愛名やまゆり園

相次ぐ虐待事案に謝罪する「かながわ共同会」の幹部ら=5日、県庁

 神奈川県は5日、県立知的障害者施設「愛名やまゆり園」(厚木市)の30代男性職員が食事介助中にスプーンを振り下ろし、入所者の顔にけがを負わせる虐待行為があったと発表した。同園から通報を受けた関係自治体が身体的・心理的虐待に当たると認定した。

 同園などによると、男性職員は昨年12月16日の昼食時、約3分の2を食べ「もういらない」と意思表示している50代の男性入所者に対し、手に持っていたステンレス製スプーン(長さ17センチ)を振り下ろし、額に当たって切り傷を負わせた。職員は同園の聴取に「食べてもらいたかったが食事摂取が進まず、いら立って威嚇した。当てるつもりはなかった」と説明している。男性入所者の食事介助は居室のベッド上で行っており、発生当時は職員と男性入所者の2人きりだった。

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