ハイパフォーマンスBEV「ポールスター 4」が欧州とオーストラリアで販売開始、日本上陸の可能性もあり!?

2024年1月31日(現地時間)、ボルボ・カーズ傘下のハイパフォーマンス電動車ブランドであるポールスター社は、スエーデン・イエテボリで新型電動SUVクーペ「ポールスター4」の販売を開始すると発表した。中国の吉利(ジーリー)ホールディングと共同で設立した中国・成都工場で生産され、全世界にデリバリーされる。シングルモーターとデュアルモーターを設定、車両価格は欧州で6万3200ユーロ(約1011万円)からと発表されている。

エレクトリックパフォーマンスブランドとなったポールスター

ボルボのワークスレーシングチームを経て、ボルボ・カーズの公式なパフォーマンスパートナーとなりエンジニアリング部門を立ち上げたポールスター社は、ボルボの市販車をベースとした高性能モデルの開発を手掛けていたが、2015年にボルボの傘下となってからは電気自動車(EV)やハイブリッドカーの開発に着手。

エアロダイナミクスに優れたクーペとスペース効率の高いSUVの利点を、最新のテクノロジーによって融合させた電動SUVクーペ。

2017年にはエレクトリックパフォーマンスブランドとしてボルボから独立。新生ポールスターの船出となるPHEV「ポールスター1」を世界初公開し、その後、CMAプラットフォームを使用したBEV「ポールスター2」、次世代のSPAプラットフォームを使用したSUVタイプのBEV「ポールスター3」、新型4ドアGTとなるBEV「ポールスター5」などを次々と発表し、本格的なグローバル展開を一気に加速してきた。

今回販売開始が発表されたポールスター4は、2023年4月の上海モーターショーで公開され、注目を集めたモデル。エアロダイナミクスに優れたクーペとスペース効率の高いSUVの利点を、最新のテクノロジーによって融合させた電動SUVクーペだ。

リアウインドウガラスがないのが大きな特徴。リアウインドウガラスにかわって、フルレングスガラスルーフと呼ばれるガラスルーフが後部乗員の頭上まで伸びる。

低いノーズ、格納式のドアハンドル、フレームレスのウィンドウガラス、リアエアロブレードなどを特徴とするが、注目はやはりリアウインドウガラスを廃止したこと。

リアウィンドウをなくしたかわりに、大面積のパノラミックガラスルーフやインテリアに広がりを与える調整可能なアンビエントライトを標準装備。ガラスルーフは後席乗員の頭上にまで広がり、気分に応じて不透明または透明に切り替えることできる。また前席の間に空調スクリーンも設けられ、後席の大きなゆとりとともに、独特な室内空間を作り出している。

なお、ルームミラーには、ルーフに取り付けられたリアカメラからの映像が表示され、必要に応じて後席の乗員を確認することもできる。

シングルモーターとデュアルモーターの2つのバージョンを設定

パワートレーンはシングルモーターとデュアルモーターの2つのバージョンを設定。シングルモーターバージョンはリアに最大出力200kW (272ps)、最大トルク343Nmの永久同期モーターを搭載して後輪を駆動する。航続距離はWLTPモードで最大610kmと発表されている。

10.2インチのドライバーディスプレイがステアリングコラムの前に取り付けられ、速度、バッテリー、航続可能距離の情報が表示される。ルームミラーには、ルーフに取り付けられたリアカメラからの映像が表示される。

デュアルモーターバージョンは、2基のモーターでシステム最大出力400kW (544ps)、最大トルク686 Nmを発生、航続距離はWLTPモードで最大580kmとなる。駆動力は通常4輪に配分されるが、不要なときにフロントへの駆動を切り離して航続距離と効率を最大化する。ドライブモードが設定されているので、ドライバーが任意にコントロールすることもできる。また、デュアルモーターバージョンにはセミアクティブサスペンションも装備される。

どちらのバージョンも100kWh のバッテリーを搭載。充電は最大200kWの高速充電と、22kWの普通充電に対応。双方向充電ハードウェアが搭載されており、近い将来、「V2L(Vehicle-to-Load)」機能も利用可能になる。

ポールスターはコネクテッドや自動運転、先進運転支援、サスティナブリティにも積極的で、Googleアシスタント、Googleマップ、Google Play などGoogleとの緊密な連携により最先端のコネクテッドエクスペリエンスを提供するほか、高精度レーダー、12のカメラ、12の超音波センサー、ドライバー監視カメラを備えたモービルアイの SuperVision 先進運転支援システムを装備する。

また定期的な無線 (OTA) アップデートにより、新機能や改良点をすべての車両にリモートで送信できるため、最新のソフトウェアを入手するために整備工場を訪れる必要がないのもポイントとなる。

持続可能性という点では、100%リサイクルPETで構成されたテーラードニットテキスタイル、生物由来の MicroTech ビニール、トレースレザーをインテリア素材に使っているだけでなく、効率的なリサイクルに貢献するモノマテリアルアプローチにも取り組んでいる。

ポールスター4 シングルモーターバージョン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4840×2139×1534mm
●ホイールベース:2999mm
●搭載パワートレーン:1モーター(リア)
●最高出力:200kW (272ps)
●最大トルク:343Nm
●バッテリー総電力量:100kWh
●WLTPモード航続距離:610km
●駆動方式:RWD

ポールスター4 デュアルモーターバージョン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4840×2139×1534mm
●ホイールベース:2999mm
●搭載パワートレーン:2モーター(フロント+リア)
●最高出力:400kW (544ps)
●最大トルク:686Nm
●バッテリー総電力量:100kWh
●WLTPモード航続距離:580km
●駆動方式:4WD

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