ヤマハ、純利益30%減 23年4~12月期 デジタルピアノ苦戦

 ヤマハ(本社浜松市)が6日発表した2023年4~12月期連結決算は、純利益が前年同期比30.9%減の207億円だった。エントリーモデルを中心としたデジタルピアノの需要回復の遅れや、中国市場の低迷が響いた。

 売上高にあたる売上収益は、法人向け音響機器の販売回復や円安により、1.1%増の3418億円となった。24年3月期通期予想は、市場の動向などを織り込み、売上収益を1.9%増の4600億円、純利益は24.1%減の290億円に下方修正した。

 オンライン会見に出席した山畑聡取締役常務執行役は「中国が成長市場であることには変わりはない。これまでのピアノ中心の戦略から、他の楽器セグメントにも広げ、成長戦略を追求していく」と話した。

新社長に山浦氏/中田氏は会長に

 ヤマハは6日、社長に山浦敦執行役(56)が昇格するトップ人事を発表した。中田卓也社長(65)は会長に就任する。4月1日付。27日開催予定の取締役会で正式決定する。

 山浦 敦氏(やまうら・あつし)東大工卒。92年ヤマハ入社。21年執行役員、22年執行役楽器事業本部長、23年4月から執行役楽器・音響営業本部副本部長兼ヤマハ楽器音響投資有限公司総経理。長野市出身。

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