チャールズ英国王、がん公表後初めて公の場に 帰国したハリー王子と対面

ショーン・コクラン王室担当編集委員、ショーン・セッドン(BBCニュース)

英国王チャールズ3世(75)が6日、がんを公表した後に初めて公の場に姿を現した。この日には、アメリカに住むサセックス公爵ハリー王子がイギリスに戻り、国王と対面した。

チャールズ国王とカミラ王妃は、ロンドンの邸宅クラレンスハウスを車で出発したところを撮影された。2人は現在、東部ノーフォーク州サンドリンガム邸にいる。

英王室バッキンガム宮殿は5日、チャールズ国王ががんの一種と診断されたと発表した。国王は表立っての公務を休止し、治療を開始する。

がんの種類は明らかにされていない。前立腺肥大症の治療中に発見されたが、前立腺がんではないという。

国王は公表前、息子のウェールズ公ウィリアム皇太子とハリー王子に、診断結果を個人的に伝えたという。

ハリー王子は6日にロンドンに到着し、クラレンスハウスで約45分間、チャールズ国王と対面した。

国王とカミラ王妃はその後、クラレンスハウスからサンドリンガム邸に向かい、車の窓越しに手を振った。

ハリー王子の妻のメガン妃は、2人の子供と住む米カリフォルニア州にとどまるとみられている。

ハリー王子はロンドン滞在中、兄のウィリアム皇太子と会う予定はないという。

リシ・スーナク英首相は6日、BBCのラジオ番組で、チャールズ国王のがんは「早期に発見された」と説明。また、国王とは「定期的な連絡」を続けていると話した。

国王と首相の週1回の面会も、治療中に継続されるという。

ハリー王子が国王に会うまでのスピードは、目を見張るものがあった。

一家の距離が縮まっている兆候はある。昨秋のチャールズ国王の誕生日にも、ハリー王子は電話で国王と話したという。

しかし、ハリー王子とメガン妃がクリスマスやその他の家族の集まりに顔を出す兆しは見られない。2人は現在まで、他の王族たちと大西洋を隔てて暮らしている。

ハリー王子の回顧録「スペア」(予備の意味)に記されているように、王族内の緊張感は、ハリー王子と国王の間より、ウィリアム皇太子との兄弟間にあるとみられる。それが、タブロイド紙の過熱報道でさらにふくらんでいる。

そのため、ハリー王子の最近の訪英は、王室よりもタブロイド紙を相手取った裁判に関するものだった。

一方のウィリアム皇太子は、国王のがん診断について公にコメントしていない。

ウィリアム皇太子は、国王が公務を休む間、その一部を引き受けるとみられている。しかしバッキンガム宮殿は、国王が憲法上の正式な職務を遂行し続けると強調している。

ウィリアム皇太子は、先月のキャサリン皇太子妃の腹部手術の後、今週から公務に復帰する予定だった。

(英語記事 King Charles seen for first time since diagnosis as Prince Harry arrives in the UK

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