【BCN AWARD 2024】ヘッドホン・イヤホン部門で年間No.1を獲得したのは?

「BCN AWARD」は、家電量販店などから集計している実売データ(POSデータ)をもとに、部門(ジャンル)ごとに年間販売数量累計1位の企業を表彰する制度。前年の実績をもとに表彰するため、「BCN AWARD 2024」の対象期間は23年1月1日~12月31日となる。

24年1月22日に発表された「BCN AWARD 2024」から、本記事ではヘッドホン・イヤホンを取り上げる。なお、マイク機能が付いたヘッドセットも含めて集計している。また、ワイヤードとワイヤレスに分けて表彰しているので、それぞれについて受賞企業や現在の市況を解説する。

まず、「ヘッドホン・イヤホン(ワイヤード)部門」において、AWARDを受賞したのはオーディオテクニカだった。受賞は2年連続で通算12回目。要因は幅広いラインアップだ。23年は300製品以上がランキングに入っており、他社を圧倒した。シェアをけん引したのは「ATH-AVC200」など、エントリーモデルのヘッドホン。音楽や映画などを気軽に高音質で楽しめる定番製品として根強い人気を誇っている。

次に、「ヘッドホン・イヤホン(ワイヤレス)部門」ではソニーが2年連続の受賞を果たした。23年9月に発売した完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「WF-1000XM5」シリーズがシェアをけん引したほか、その旧モデル「WF-1000XM4」も引き続き貢献。加えて、「WI-C100」シリーズといった完全ワイヤレスではないモデルも健闘したことが首位奪還に繋がった。一方、2位のアップルはAWARD受賞を逃したものの、機種別ランキングでは1位から5位までを独占。「AirPods」シリーズのブランド力は衰えていない。ソニーとアップルによる頂上決戦は次回のAWARDでも繰り広げられそうだ。

ヘッドホン・イヤホン市場のワイヤレス対応比率は52.4%と、初めてワイヤードを上回って過半数を占めた。今後もワイヤレスへの移行は続くとみられるが、ビジネス用途やゲーミング分野などワイヤードが求められる場面もあり、ワイヤードの需要が急減していくことはないだろう。今後も両部門の行方に注目だ。

実売データ提供販売店(23年12月現在)はアマゾン・ジャパン、エクスプライス、エディオン、NTTドコモ、玉光堂、ケーズホールディングス、コジマ、サードウェーブ、サンキュー、上新電機、ストリーム、ソフマップ、ZOA、ナニワ商会、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、三星カメラ、ムラウチドットコム、ユニットコム、楽天ブックス、綿半ドットコム(50音順)。

© 株式会社BCN