能登半島地震で被災した石川県の一部の地域に対し、生活再建支援金を増額するという政府の方針について、千葉県の熊谷知事は２月８日、過去の災害との整合性などの観点から「政府から十分な説明がなされているとは感じない」と述べました。
被災者生活再建支援制度は、住宅の被害状況などに応じて、支援金として最大３００万円を支給しますが、政府は特例として、石川県の一部の地域の高齢者世帯などを対象に支援金を上乗せし、最大６００万円を給付する方針です。
これに対し、熊谷知事は会見で、被災地への公的支援や支援への気持ちに理解を示しつつも、次のように指摘しました。
千葉県 熊谷俊人 知事
「過去の災害やこれからの災害との整合性や公平性、賃貸住宅や持ち家など住まい方で公的支援に巨額の差が出るということ、私有財産を形成する部分に本来行政は慎重でなければいけないが、それがさらに増額されることについて政府から十分な説明がなされているとは感じない」
また、住居への支援の具体例として、仮設住宅や公的な住宅に長期間、低額で居住できるようにする支援策などを挙げ「他にも様々なやり方があると思う。国民の税金である以上、しっかりとした議論が行われなければならない」と述べました。
