「物流2024年問題」の解消に向け "荷主"と"運送業者"がそろって受講 栃木県内初のセミナー開催

 今年(2024年)4月からトラックドライバーの時間外労働の上限が規制され、労働時間が短くなることでモノが運べなくなることを「物流の2024年問題」といわれています。

 問題の解消に向けて、7日に宇都宮市内で運送会社に依頼する「荷主」が加わった栃木県内初めてのセミナーが開かれました。

 セミナーは栃木県トラック協会などが主催し、荷主側と運送会社の関係者が半数ずつ、合わせて130人が出席しました。

 政府は働き方改革の一環で、これまで問題だったトラックドライバーの長時間労働を是正するため、時間外労働を年間960時間までに制限する改正労働基準法を4月1日に施行します。運送業界は職場環境の改善が図られる一方で、現在も深刻なドライバー不足に追い打ちをかけ、今までと同じように荷物が運べなくなるというのが「物流の2024年問題」です。

 ここに「人口減少」が拍車をかけ、担い手不足が今より拡大すれば社会を支える物流が滞り、経済が停滞するおそれが指摘されていて、講演した立教大の首藤若菜教授(労使関係論)は「実は今が人手が一番多い。今後加速度的に減少していく。問題はまだ『入り口』です」と述べ、対策の重要性を訴えました。

 首藤教授は2024年問題を乗り越えるために、運送業者と荷主、双方の連携が必要だと説明しました。具体的には「荷待ち」や荷役時間の効率化、適正運賃への理解などを挙げました。

 トラックドライバーの労働環境の改善は重要な課題である一方で、荷主側もコストの増加やサービス低下につながる問題だけに、関係者は運送業者、荷主の双方が集まった初めての合同セミナーが課題を共有するきっかけになればと話しています。

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