中国湖南省で新種のタカチホヘビ見つかる

中国湖南省で新種のタカチホヘビ見つかる

野外で撮影されたナンザンタカチホヘビ。(資料写真、長沙=新華社配信/朱楽強)

 【新華社長沙2月9日】中国湖南省長沙市の湖南師範大学と中南林業科技大学の研究者がこのほど、国際動物分類学誌「ZooKeys」に、同省邵陽(しょうよう)市で見つかったタカチホヘビ属(Achalinus)の新種を「Achalinus nanshanensis(ナンザンタカチホヘビ)として報告した。タイプ標本が発見された邵陽市城歩ミャオ族自治県南山国家公園にちなんで命名された。湖南師範大学が明らかにした。

 湖南師範大学生命科学学院の莫小陽(ばく・しょうよう)教授によると、タカチホヘビ属はヘビ類の中でも特殊かつユニークな分類群で、体は比較的小さく、穴の中に住んでいる。これまでは主に中国やベトナム、日本を生息地とする27の独立種が確認されていた。今回の28種目の発見は、タカチホヘビ属の分類学研究を推進するとともに、湖南省の爬虫類種の多様性を高めた。新種の発見は生物多様性の豊かさを測る重要な指標の一つで、野生動物の保護や種の起源・進化の解明といった分野で大きな意味を持つという。

中国湖南省で新種のタカチホヘビ見つかる

野外で撮影されたナンザンタカチホヘビ。(資料写真、長沙=新華社配信/朱楽強)

 新種に毒はなく、「Achalinus yangdatongi(ヨウシタカチホヘビ)」の近似種とみられる。新種の尾の長さと体長はいずれも後者より短く、上顎の歯は後者より6~8本少ない18本で、側頭鱗の数も後者と異なるという。

 莫教授の説明では、2022~23年のフィールドワークで研究者が同省邵陽市と懐化市でそれぞれタカチホヘビ属の標本を採集、頸部(けいぶ)にある乳白色の輪状の模様に着目した。形態学的検査と分子系統学的発育解析の結果、既知のタカチホヘビ属と異なる種であることが明らかになり、このサンプルに基づきタカチホヘビ属の新種について報告した。

 現在わかっている限りでは、新種が分布しているのは、同公園および近隣の懐化市通道トン族自治県にある標高300~1665メートルの亜熱帯常緑広葉樹林内だけ。標本の発見地付近にはいずれも小川が流れており、多くが雨上がりに見つかったという。タイプ標本は湖南師範大学脊椎動物学実験室に保存されている。(記者/明星)

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