【競馬】当たり馬券100万円の払戻金にわくわく!でも税金がかかるって本当?

外れ馬券の購入費用は控除できるのか

以前は、競馬場や場外馬券場に行かないと購入できなかった馬券ですが、最近ではインターネットを利用してWeb上で簡単に買えるようになりました。

また、競馬をテーマにしたゲーム「ウマ娘」が流行したこともあり、競馬に興味を持つ方が増えているようです。

競馬は、競走馬たちの迫力ある走り、騎手たちの技術を間近で観察する楽しみもありますが、レースの展開や出走馬の特徴を分析して、自分の予想を立てて馬券を購入するのも楽しいものです。

「もし、購入した馬券が当たったら?」を想像すると、ワクワクが止まらないのではないでしょうか。

今回は、競馬で当たりが出たときのお話です。

もし、100万円が大当たりしたら、税金がどれだけかかるのでしょうか。もうすぐ確定申告の時期ですが、申告が必要なのかも見ていきます。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

もし競馬で利益を得たら、税金はかかるの?

個人は、1年間で得た所得に対して、所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を掛けた所得税を納めます。

所得が会社の給与のみという方は、年末調整で税金の精算が終了していますが、それ以外の所得がある場合は、2月16日~3月15日までに確定申告をする必要があります。

所得税法において、所得は以下の10種類に区分されており、所得ごとに税金の計算方法が異なります。

  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得

競馬で利益を得た方が、一般の競馬愛好家という場合は「一時所得」に該当します。

一時所得に該当する内容とは?競馬の払戻金はここに該当

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じたもの以外の所得をいい、「懸賞や福引きの賞金品」「生命保険の一時金」などがあります。

一時所得の計算方法

一時所得の金額は、以下のように計算します。

【一時所得の課税所得額の計算式】

『総収入金額-収入を得るために支出した金額※1-特別控除額(最高50万円)×1/2』

※1その収入を得る際に、直接要した金額があてはまります。

競馬の場合で言えば、「総収入金額」の箇所にあてはまるのが「払戻金」です。

また、「収入を得るために支出した金額」には、当たり馬券の購入費が該当します。

なお、外れ馬券の購入費用については、上記の「収入を得るために支出した金額」に適用されず、控除できませんのでご注意ください。

払戻金100万円には、いくらの所得税がかかるの?

次は、もし競馬で100万円の払戻金があり、当たり馬券の購入費が仮に1000円かかった場合、所得税はどのくらいかかるのか、所得税額を計算してみましょう。

一時所得の所得税は以下の計算式で計算します。

上記より、課税所得額は「100万円(払戻金)-1000円(当たり馬券の購入費)-50万円(特別控除額)×1/2=24万9500円」です。

課税所得額の24万9500円に所得税率をかけて所得税を計算します。

所得税率は、課税所得額ごとに以下のように決められています。

課税される所得金額ごとの所得税率

課税所得額の24万9500円は「1000円~194万9000円まで」の範囲に含まれているため、かかる所得税率は「5%」です。

さらに、平成25年から令和19年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1パーセント)を併せて申告・納付することになります。

計算すると、「24万9500円(課税所得額)×5%(税率)×1.021(復興特別所得税)=1万2736円」となります。

したがって、競馬で100万円の払戻金があった場合の所得税は「1万2736円」かかることがわかります。

競馬の払戻⾦の支払を受けた場合の注意点

競馬の払戻⾦は、得た利益によっては、一時所得として確定申告が必要となる場合があります。

まとめると、一時所得の課税所得額「払戻金-当たり馬券の購入費」が、年間50万円を超えていれば確定申告が必要となります。

一方、一時所得の課税所得額「払戻金-当たり馬券の購入費」が、年間50万円以下であれば確定申告をする必要はありません。

【確定申告が必要】

  • 総収入金額 - 収入を得るために要した費用 > 年間50万円

【確定申告が不要】

  • 総収入金額 - 収入を得るために要した費用 < 年間50万円

競馬の払戻金が1回で50万円を超えるほどの大当たりをすることはなかなかないかもしれません。

しかし、年間を通して何回か当てていれば、50万円を超える可能性もあります。

払戻金を受けた場合は、以下の点を忘れずノートに記録しましょう。

払戻⾦の支払を受けた場合の記録

  • 開催日・開催場・レース
  • 払戻⾦に係る受取額
  • 払戻⾦に係る投票額(当たり券の購入費)

まとめにかえて

当たり馬券で100万円もの払戻金があれば「何に使おうか!」とわくわくしますね。

ただしその場合、確定申告も必要になります。

確定申告を適切に行うには、払戻金とその際購入した当たり券の金額を正確に把握するようにしましょう。

参考資料

  • 国税庁「No.1490 一時所得」
  • 国税庁「競馬の馬券の払戻金に係る課税について」
  • 国税庁「No.2260 所得税の税率」

© 株式会社ナビゲータープラットフォーム