捜査上知り得た情報で住居侵入、部下に銃口… 神奈川県警が警部補2人懲戒処分

神奈川県警本部(資料写真)

 捜査の過程で知った情報を悪用し、民家から現金などを盗もうとしたとして、神奈川県警は9日、大和署刑事1課の男性警部補(49)を窃盗未遂と住居侵入の疑いで書類送検し、懲戒免職処分とした。部下の男性巡査に銃口を向けたなどとして、葉山署地域課の男性警部補(57)も停職6カ月の懲戒処分とし、同警部補は同日、依願退職した。

 県警監察官室によると、大和署の警部補は昨年9月22日午後9時ごろから同10時ごろまでの間、大和市内の民家に侵入して現金などを盗もうとした、としている。

 警部補は別の事件で知った情報をもとに、住人の不在時を見計らって、勤務中に署の捜査車両で民家へ行き、窓ガラスを割って侵入したという。タンスや整理棚を物色したが現金などは見つけられず、同27日に帰宅した住人から「窓ガラスが割れている」と110番通報があった。

 防犯カメラに捜査車両から降りて民家に向かう姿が映っていたといい、関与の可能性が強まった同29日から警部補は自宅待機となっていた。調べに対し「自由に使える金がほしかった」などと話しているという。

 警部補は昨夏から同署で勤務しており、県警は神田一穂署長ら幹部4人に対し業務指導などを行った。 

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