チャールズ英国王、がん公表後に初めて公務で外出 感謝のメッセージを発表

イギリス国王チャールズ3世(75)は11日、がんを公表後に初めて公務で外出した。

国王は滞在中の東部ノーフォーク州サンドリンガムで、セント・メアリー・マグダレン教会へ向かい、集まった人々にカミラ王妃と共に手を振った。

同教会は復活祭(イースター)まで、一般の入場が制限されている。そのため11日には、門の前に100人ほどの人々が集まった。

国王はポール・ウィリアムズ司祭と短く言葉を交わし、教会内に入った。

「支援と祈り」に感謝

国王は10日、英王室のウェブサイトにメッセージを掲載し、がん公表後に人々から受けた「支援と祈り」に感謝の意を示した。

国王はメッセージの中で、がんに影響を受けている人には、「こうしたやさしい思い」が「最大のなぐさめと勇気」になっていると話した。

「私自身の診断を共有することで、一般の人々の理解を促し、イギリスや世界のがん患者とその家族を支援するすべての組織の活動に光を当てることに役立ったという話にも、同様に励まされました」

「(がん患者と家族を支援する組織の)あくなき努力と献身を、私はこれまで常に素晴らしいものだと見上げてきましたが、その称賛の気持ちは、私自身の個人的な経験を通して、より大きなものとなりました」

イギリス王室バッキンガム宮殿は5日、チャールズ国王が、がんの一種と診断されたと発表した。

がんの種類は明らかにされていない。前立腺肥大症の治療中に発見されたが、前立腺がんではないという。

王室によると、国王は「定期的な治療」を開始しており、治療中は表立っての公務を延期する。この間、カミラ王妃やウェールズ公ウィリアム皇太子がいくつかの公務を代行する。

国王は翌6日に、ロンドンの邸宅クラレンスハウスからサンドリンガム邸に移った。

カミラ王妃は8日、ソールズベリー大聖堂でのイベントに出席した際、人々からの支援に「非常に元気づけられている」と語った。

ウィリアム皇太子は、1月に腹部手術を受けたキャサリン皇太子妃の回復を助けるために公務を離れていたが、6日に公務に復帰した。

この日、チャリティー晩さん会に出席したウィリアム皇太子は、皇太子妃と国王に向けられた「温かなメッセージと支援に感謝する」と述べた。

キャサリン皇太子妃は、イースター後まで公務を休む予定。

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