130年の歴史もつ横浜の3消防団、4月に統合 災害備え指揮系統を一本化 中華街や山下公園などカバー

「誇りと責任を」のキャッチフレーズの元、地域貢献の決意を新たにする永田二朗団長(左)と高橋伸昌団長、添田勝夫団長

 横浜市中区の伊勢佐木、加賀町、山手の3消防団が統合し、4月1日から「中消防団」として生まれ変わる。これまでの地域特性に合わせた活動に加え、発生が懸念される大規模災害に備えて人材確保や指揮系統の一本化を目指す。「国籍や性別の違いを超え、地域のみんなで町を守る組織をつくる」。130年近くの歴史を誇る3消防団は新たなフェーズを迎えるが、手を結んだ関係者の思いは一つだ。

 1894年5月、県令第20号公布で公設消防組として3消防団はそれぞれ開設された。横浜中華街や山下公園などの観光地、日本有数の歓楽街や工業地帯などをカバーしてきた。これまでも統合については何度も検討されてきたが、異なる地域特性や互いをライバル視していた背景もあって、山手消防団で団長を務める添田勝夫さん(68)は「それぞれ地元愛が強くて、よそもんとは一緒になれなかった」と苦笑する。

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