【長野県】一般的な手帳を凌ぐ人気 5万部売れた「県民手帳」ってナニ? 魅力の秘密を統計協会に聞く

長野県民熱愛の「手帳」とは一体?

毎日の予定やちょっとしたメモを記しておく手帳は、社会人や学生にとってのマストアイテム。毎年特定のブランドや会社の手帳を買うと決めている人も少なくないのではないでしょうか。さまざまな種類・タイプがラインナップしている手帳ですが、じつは県が発行するものが存在することを知っていますか?

【手帳の中身を見る】県にまつわるデータベースを豊富に掲載!

「県民手帳」と呼ばれるそれは、発行県独自の情報や項目が設けられています(県によっては発行されていない場合も)。そもそも存在自体知られていないことも多々ある県民手帳、なんと長野県では『長野県民手帳』という名でズバ抜けた知名度と人気を誇っているというのです。理由を発行元である「長野県統計協会」(長野県長野市)に聞きました。

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長野県統計協会は県内の統計に関する事業をおこなう組織。「統計」というと少々難しそうな印象がありますが、県内のホテル・旅館数やスマートフォンの保有世帯、野菜の収穫量など暮らしに根付いたデータも多く扱っています。県民にも統計を身近に感じてもらうため、統計調査をおこなう調査員への研修や講演会、統計にまつわる書籍の刊行、統計グラフコンクールの実施などが主な活動内容です。

そんな協会が発行する長野県民手帳の歴史は古く、1961年(昭和36)から販売をスタートし、2024年版で63回目の刊行となるベストセラー商品なのです。「元々は、国や県の統計調査員用に配布されていた手帳でした。ですが次第に『使いやすい』という評判や県民からのリクエストが広まり、一般販売するようになりました」(長野県統計協会)

普通の手帳やスケジュール帳と比べてどんな違いがあるのでしょうか?

「やはり、長野県の情報が満載な点が最大の特徴です。長野県の市町村別主要統計の他、お祭りなど各地の行事一覧、『くらしの電話帳』として日常生活の困りごとに応じた相談先の電話番号を掲載しており、生活に役立つ情報が盛りだくさんです。県外のお客さまからは、長野が恋しくなったという声をいただくこともあります」(長野県統計協会)

縦13.8センチ・横7.8センチとスーツのジャケットのポケットにも入るスリムなサイズですが、濃く充実した内容は驚くべきものがあります。いちご狩りやマラソン・祭りなど各市町村の行事を網羅した「ふるさとの行事」をはじめ、県内での出生数・婚姻数・バス乗車人数・消費電力数などをまとめた「長野県の1日」というページなど、統計協会が発行しているだけありデータベース系情報がみっちり。 この一冊を持っているだけで、長野県に詳しくなれそうです。

長野県民手帳は書店や県庁・合同庁舎売店をはじめとし、コンビニやホームセンターなど県内では簡単に購入できます。その便利さも県内での浸透率の高さに繋がっているのだとか。

「手帳は、長野県内全域で利用されていると認識しています。また、長野県出身で県外在住の方からのご要望もあり、名古屋や大阪にある県外事務所や銀座のアンテナショップやインターネットを通じて全国各地からもご注文をお受けしています」(長野県統計協会)

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長野県の県民手帳は発行部数・5万冊を誇り(2024年版)、「日本一売れている県民手帳」とささやかれているそうです。もし自分が住む地域にも県民手帳があるようなら、一度チェックしてみてもいいかもしれません。

(取材・文=つちだ四郎)

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