中国製農機、ブラジル農業の機械化後押し モデルプロジェクト始動

中国製農機、ブラジル農業の機械化後押し モデルプロジェクト始動

中国・ブラジル農業機械化協力モデルプロジェクトの始動式で発言する、ブラジルのパウロ・テイシェイラ農業開発相。(2月2日撮影、アポジ=新華社記者/王天聡)

 【新華社アポジ2月14日】ブラジル北東部リオグランデドノルテ州のアポジでこのほど、中国・ブラジル農業機械化協力モデルプロジェクト始動式が開かれ、モデル農場で使用されるものを含む中国農機メーカー7社の農業機械・設備31台(基)が、第1陣としてブラジルの農村労働者団体に引き渡された。

 同地で農業を営むマリムさんの農場では、刈り取り機やトラクター、農薬を散布するドローンなどの農機が立てる音が聞こえる。50ヘクタールの小さな農場は、今では中国とブラジル間の農業機械化協力のモデル農場となっている。

中国製農機、ブラジル農業の機械化後押し モデルプロジェクト始動

ブラジル・アポジにある畑で作業する中国製農機を見る人々。(2月2日撮影、アポジ=新華社記者/王天聡)

 ブラジルは農業大国、農産物輸出大国だが、輸出用食糧の多くは南部や中西部の大規模農場で生産されており、農業機械も主に国に外貨をもたらすそれらの農場で使用され、面積が小さい農地に適した農機はなかった。実際には、ブラジルの人々の食卓に並ぶ食べ物のほとんどが北東部や北部の家族農業で生産されているのに、それに貢献してきた農家の人々は依然として苦しい生活を送り、貧困脱却が彼らの夢となっている。

 中国農業大学とノルデステ(ブラジル北東部)協会、中国農業機械工業協会、スイスの非営利団体(NPO)国際民衆協力協会(IAPC)は2022年9月、「中国・ブラジル農業機械化・農業エネルギー分野協力了解覚書」に調印し、中国農業大学は「中国・ブラジル中小規模農家の農業機械化に向けた先進適正技術国際移転プラットフォーム」プロジェクトへの参加が認められた。

中国製農機、ブラジル農業の機械化後押し モデルプロジェクト始動

ブラジル・アポジにある畑で作業する中国製農機。(2月2日撮影、アポジ=新華社記者/王天聡)

 中国農業機械化発展研究センターの主任を務める同大工学院の楊敏麗(よう・びんれい)教授によると、中国・ブラジル機械化協力モデル農場は国際移転プラットフォームプロジェクトの一つであり、今後はブラジルの中小規模農家の機械化に向けた技術・設備展示プラットフォームも設け、同国の農業生産、中小規模農家の貧困脱却と農村振興に寄与していく方針だという。

 中国の祝青橋(しゅく・せいきょう)駐ブラジル大使はモデル農場の開幕式で、このプロジェクトは中国がグローバル発展イニシアチブを実行するための重要な措置で、中国とブラジルの社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)の促進と飢餓・貧困の撲滅、持続可能な開発を進めるための有益な試みでもあり、両国関係に重要かつ前向きな影響を及ぼすとの見通しを示した。また、ブラジル北東部は人口密度が相対的に高く、家族農業の割合も高く、ブラジル政府が農業生産の促進と人々の生活水準向上に力を入れる重点地域であり、中国は農業機械製造分野に強く、中小規模の農業生産に非常に適した製品を多数生産していると強調した。

中国製農機、ブラジル農業の機械化後押し モデルプロジェクト始動

ブラジル・アポジにある畑で作業する無人農機を見る人々。(2月2日撮影、アポジ=新華社記者/王天聡)

 パウロ・テイシェイラ農業開発相は中国からの一行が遠路はるばるやって来たことに感謝の意を表し、「ブラジルの家族農業にとって歴史的な日だ」と表明。「中国は設備と豊富な経験をもたらし、それらの設備をここに根付かせることでブラジルの家族農業を改善する。中国がブラジルの最も貧しい北東部地域に多くの農業設備を持ち込むことに加え、工場建設に投資することも期待する」と述べた。

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ブラジル・アポジで中国製農機に「いいね」のサインを送る男性。(2月2日撮影、アポジ=新華社記者/王天聡)

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ブラジル・アポジにある畑で作業する中国製農機。(2月2日撮影、アポジ=新華社記者/王天聡)

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ブラジル・アポジで中国製農機を見学する人々。(2月2日撮影、アポジ=新華社記者/王天聡)

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